ジュニアテニスの大会では、半日は当たり前、時には朝から夕方まで会場にいることも珍しくありません。
また、練習においても平日夜など、何も食べずに練習するとお腹が減るばかりでなく、夜遅くの食事が続くと胃腸に負担がかかります。
テニスは見た目以上にエネルギー消費が多いスポーツです。
さらにジュニアの場合は、運動のエネルギーのみならず、成長のためのエネルギー、両方が必要となります。
そのため、通常の食事だけではエネルギーが不足しやすく、途中での栄養補給(補食)がとても重要になります。
この栄養に対する考え方は、富士山プロジェクトにおいても講義の一部に組み込まれており、非常に重要な視点です。
今回は、ここで指導された内容に沿って、ジュニアに必要な栄養量、テニスで消費するエネルギー、補食を取るタイミング、具体的なおすすめ補食についてまとめます。
子供に必要なエネルギー量
まず、子供が1日に必要とするエネルギー量を見てみます。
小学生〜中学生の目安は次の通りです。
| 年齢 | 必要エネルギー(目安) |
|---|---|
| 小学生低学年 | 約1,600 kcal |
| 小学生高学年 | 約2,000 kcal |
| 中学生男子 | 約2,500 kcal |
| 中学生女子 | 約2,000 kcal |
これは通常の生活をした場合の必要量です。
つまり、学校生活、通学、日常活動を含めた必要エネルギーです。
ここにスポーツによる消費エネルギーが追加されます。
テニスで消費するカロリー
テニスは短いダッシュや方向転換を繰り返すスポーツで、運動量はかなり多いです。
体重40kg前後のジュニアの場合、テニスの消費カロリーは次のような目安になります。
| 運動時間 | 消費カロリー |
|---|---|
| 1時間の練習 | 約250〜350 kcal |
| 2時間の練習 | 約500〜700 kcal |
| 試合1セット | 約100〜150 kcal |
大会では、1日に3〜5試合と長丁場となったり、ウォームアップなど前後も含めると、追加で500〜1,000kcal程度消費することもあります。
つまり、ジュニア大会の日は、通常必要カロリー+運動消費カロリーとなり、1日3,000kcal近く必要になるケースもあります。これを朝食・昼食だけで補うのは現実的ではなく、重要になってくるのが補食です。
補食の役割
補食はおやつなどの間食とは少し違います。補食はただ合間に食べるだけでなく、不足するエネルギーと栄養を補い、成長や運動に支障が出ないよう補う明確な目的があります。
補食の役割は大きく3つあります。
①エネルギー補給
試合や練習で消費したエネルギーを補います。
エネルギーが不足すると、集中力が低下したり、足が動かなくなったり、後半に失速したりします。
ジュニア大会では、試合の後半や3試合目以降に差が出ることが多いですが、その要因の一つがエネルギー不足です。
適切なタイミングで適切な内容のものを、適量食べることで、パフォーマンスを安定させます。
②疲労回復
筋肉は運動でダメージを受けます。その回復に必要なのがタンパク質です。
補食で少量のタンパク質を取ることで、回復が早くなり、次の試合のパフォーマンス維持につながります。
また、炭水化物が足りないと、筋肉のタンパク質を分解してエネルギーに変えます。これを栄養学では
糖新生(とうしんせい)と呼びますが、炭水化物が足りないと、必要な筋力が不足してしまうこととなります。
③水分・ミネラル補給
テニスでは汗と一緒に、ナトリウム・カリウムなどのミネラルも失われます。
これが不足すると、足がつったり、疲労感を感じたり、集中力が低下したりします。
暑くなると、これが夏バテに直結し、食欲不振などの負のスパイラルに陥ることもあります。
このため、水分+ミネラル補給も補食の重要な役割です。
補食で重要な栄養素
補食では、特に次の栄養素を意識すると効果的です。
炭水化物(エネルギー源)
最も重要なのが炭水化物です。
炭水化物は体を動かすための主なエネルギー源になります。
テニスは、ダッシュ・ストップ・切り返しを繰り返すスポーツなので、炭水化物が不足するとすぐにパフォーマンスが落ちます。補食の基本は炭水化物中心と考えておくと良いです。
代表的な食べ物は、おにぎり・バナナ・パンの他、最近ではゼリー飲料やバランススナックが保管が効いて効果的です。
タンパク質(回復・体作り)
タンパク質は、筋肉の回復・疲労回復に関係する栄養素です。
ただし、試合直前に大量に食べると消化に負担がかかるため、少量を補助的に取るのが良いでしょう。
最近はプロテイン食品が流行り、入手しやすくなりました。
おすすめはササミ・サラダチキン・ヨーグルト・プロテインスナック(信頼性のあるもの)など。
ミネラル
汗で失われる栄養素として重要なのがミネラルです。
上述の通り、足がつったりする原因となりますので、スポーツドリンクをうまく使うと補給できます。
スポーツドリンクは伝統的な飲料と言って良いでしょうが、糖分も摂取できるため、推奨されている場もありました。
ジュニアテニスでおすすめの補食
上記を踏まえ、専門家の紹介事例でも挙げられ、実際の大会でよく見る補食は下記のとおりです。
| 補食 | 主な栄養 |
|---|---|
| おにぎり | 炭水化物 |
| バナナ | 炭水化物+カリウム |
| ゼリー飲料 | 炭水化物 |
| ササミ(国産) | タンパク質 |
| スポーツドリンク | 水分+ミネラル |
おにぎり:伝統的に安心
大会会場で最もよく見かける補食です。
メリットは、炭水化物の安定的な補給、消化が良く食べやすく、安心な点。
おすすめは塩おにぎり、梅おにぎりなどシンプルなものですが、ここは細かく言うまでもなく、お子様が好きなものを準備すると良いでしょう。
バナナ:試合直前に
バナナは非常に優秀な補食です。
すぐエネルギーになり、消化が良く、カリウムも取れます。
お腹が痛くなるという事態にになりにくく、試合30分前など、直前の補食にも向いています。
ゼリー飲料:いつでも万能
最近ジュニア大会でよく見かけるのがゼリー飲料です。
メリットは、食欲がなくても摂れてお手軽な点、短時間でエネルギー補給でき、持ち運びやすく、長期取り置きもできる点です。夏の大会では特に重宝し、近年人気は一番かな?と思います。
ササミ・プロテインスナック:筋力維持・試合後や夜に
タンパク質補給としておすすめです。
脂質が少なく、消化しやすく、タンパク質が豊富です。
この他、コンビニのサラダチキンも便利ですが、日持ちしない点が難点。
常温では某テニス大会の優勝副賞としても挙げられていたprofit。国産、常温で便利です。
ただし、ササミは少量ではないので、試合直前より、試合後の回復補食や、夜の練習の合間が望ましいでしょう。
お腹が空いて体の筋力が消費される事態を避ける役回りもあります。
あとはお馴染みプロテインバー。こちらはゼリー飲料に次ぐ万能型で便利ですが、夏はゼリーかドリンクの方がいいかな?(後述)
ドリンク:水分補給+α
スポーツドリンクはもちろん、最近はいろいろな栄養がプラスされた飲料が増えました。
子供が口にするものですので、信頼性があるものを。
プロテイン系は様々なものがありますが、信頼性からドリンクはZAVAS推し。
これ以上タンパク質の栄養補給は不要かと。
補食の効果は当日だけではない
ここまででピンと来た方も多いでしょうが、補食はただ当日のパフォーマンスを維持するのみならず、長期的な体作りにも大きく影響します。
たくさん練習するのは良いが、やせ細ってガリガリという子も多いですが、力負けしないためには一定の体幹や、筋力も必要です。この源となるたんぱく質は、炭水化物が足りないと消費されてしまいます。このため、日々の体重や栄養管理は非常に重要となります。
是非必要十分な栄養素を取り入れ、運動消費カロリーに負けない体を作って頂ければと思います。


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