MMTF(盛田正明テニス・ファンド)奨学金が2025年度選手募集:錦織・西岡・望月選手の原点

ジュニアテニスをしていると、誰もが一度は耳にするMMTF(盛田正明テニス・ファンド)。

MMTFは、錦織圭選手をはじめ、日本のトップ選手たちが世界に羽ばたくきっかけとなった育成基金で、いくつかあるジュニアテニス支援・奨学金の中でも最高峰の位置づけです。

毎年、全国のジュニア大会で優秀な成績を収めた子どもたちの中から、海外留学奨学生を選抜しています。2025年度の募集が始まり、再び「未来の錦織」を探す選考が動き出しました。

今回は応募資格自体が非常に厳しいのでご紹介という意味ではなく、ご家庭やお子様が知ることで、テニス上達へのモチベーションに繋げることを目的としてご紹介します。
ここでは募集概要とともに、MMTFという仕組みの特徴、過去の卒業生たちの軌跡を掘り下げます。

目次

募集概要(2025年度 盛田正明テニス・ファンド)

項目内容
主催公益財団法人 盛田正明テニス・ファンド(MMTF)
対象年2025年度
応募資格①「全国選抜ジュニア」または「全日本ジュニア」U14男女シングルス ベスト4以上の日本人選手
②「全国選抜ジュニア」「全国小学生」「全日本ジュニア」U12男女シングルス ベスト4以上の日本人選手
応募期間2025年12月1日(月)必着
選考スケジュール2025年12月中:書類選考
2026年1月中:国内選考会(東京近郊)
2026年2月中旬:アメリカで最終選考
2026年2〜3月:結果発表
奨学金内容・年1回の羽田-アメリカ往復航空券
・テニスアカデミー滞在費(トレーニング費・寮費)
・アカデミー指定の遠征費用など
応募制限他団体・企業から金銭支援やスポンサー契約がある場合は応募不可。選考通過後に判明した場合は奨学金返還対象。
問い合わせ先公益財団法人 盛田正明テニス・ファンド
Mail:kawano@mmtfund.org

MMTFとは?

正式名称は「公益財団法人 盛田正明テニス・ファンド」です。
日本人が世界で戦うために必要な環境を提供する目的で、ソニー創業者のひとり・盛田正明氏が1990年代に設立しました。

このファンドは、10代前半の有望なジュニア選手を奨学金制度で海外に派遣するもので、派遣先はアメリカ・フロリダのIMGアカデミーなど、世界でもトップクラスの育成機関。
練習環境、コーチング、遠征機会、英語教育、すべてが世界基準で整っており、早期に国際的な経験を積むことを目的としています。

奨学生は寮生活を送りながら、アカデミーでのトレーニング・ツアー遠征を通じて、技術・体力・メンタルを磨きます。
学校教育も並行して受けることができ、アメリカの高校・大学への進学ルートを見据えた育成環境です。

MMTFの特徴

「ジュニア期から世界へ」のリアルなチャンス

日本のジュニアテニスでは、国内大会中心のキャリアが一般的です。
しかし、MMTFは10代前半で海外のトップアカデミーに身を置くという経験を制度として支援します。

アカデミーでは世界中から同世代のトップジュニアが集まり、日常的に国際大会に出場。
一足早く海外のテニス文化と競技レベルを体感できる環境は、後のプロキャリアに大きな差を生みます。

経済的な負担を大幅に軽減

海外留学となると、通常は年間数百万円単位の費用が必要です。
MMTFの奨学金では、航空券・トレーニング費・寮費・遠征費までを包括的にカバーされます。
家庭の経済力に関わらず、純粋に実力と将来性で選抜される仕組みになっています。

選考プロセスが徹底

一次の書類選考だけでなく、国内選考会、最終のアメリカ選考と段階を踏んで審査が行われます。
単にテニスの技術だけでなく、語学力・生活適応力・メンタル面・将来性など、世界でやっていくための総合的な資質を重視しています。

成長と責任を求める契約制度

奨学金は単なる支援金ではなく、「プロを目指すための責任ある契約」として扱われます。
スポンサー契約や外部支援が発覚した場合、奨学金の返還義務が生じるなど、選手としての自覚が求められます。
これがあるため、一部上位者は他の充実した支援制度にも出てこないわけです。

偉大な過去の卒業生

MMTFの卒業生には、日本テニス界の顔ともいえる選手たちが並びます(敬称略)

  • 錦織圭(元世界ランク4位)
     中学生でMMTF奨学生として渡米。IMGアカデミーで育ち、わずか17歳でプロ転向。以後、全米オープン準優勝など日本テニスの歴史を塗り替えた。
  • 西岡良仁(元世界ランク24位)
     MMTFの支援で渡米し、IMGで腕を磨く。卓越した戦術眼とフィジカルの強さでATPツアーでも活躍。2022年ソウル大会ではツアー優勝。
  • 望月慎太郎(2024年 世界ランク93位)
     2019年ウィンブルドンジュニア優勝。2025年には自己最高のトップ100入りを果たし、次世代の旗手として注目される。
  • 坂本怜(2024年 全豪ジュニア優勝)
     MMTF支援でIMGアカデミーに留学し、プロ転向1年目で世界ランキング200位台へ。ジュニア卒業直後の活躍が話題となった。
  • 園部八奏(そのべ わかな)
     2025年全豪ジュニア女子シングルス優勝。MMTFでの経験をもとにプロ転向し、女子ツアーでもタイトルを獲得。

彼らの共通点は、MMTFで海外経験を積み、世界を身近に感じることからキャリアをスタートさせたことです。
この制度が、日本のジュニア選手が世界基準の成長曲線に乗るための橋渡しになっています。


U12・U14世代というと、まだ心身ともに成長の途中です。
しかし、世界で戦う選手は10代前半から海外を経験しているケースが多く、MMTFのような制度はまさにそのためにあります。

小学生であれば、応募資格が3大大会の大会ベスト4と、非常に狭き門です。
ここに応募すること自体が物凄いことですが、お子様がこの制度を知ることで、モチベーションに繋がれば良いですね。

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