安藤財団グローバルチャレンジJr.テニスは、日本テニス協会のJTA富士山プロジェクトの一環として行われているU11世代向けの世界に繋がるジュニアキャンプです。ジュニアテニス選手がセレクションされる初めての大きな機会であり、各都道府県で男女1名ずつしか選ばれないため、多くのジュニアテニス選手に注目されています。。
安藤財団グローバルチャレンジJr.テニスとは
安藤財団グローバルチャレンジJr.テニスは、公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団と日本テニス協会が、2023年度からスタートしたジュニア育成プロジェクトです。
安藤財団では「世界で活躍できる将来のスーパースター候補の発掘と早期教育」を目的に、47都道府県から11歳の男女各1名ずつを全国で開催するキャンプに招聘しています。
オンコートの指導だけでなく、心・技・体・知・徳を学ぶチャンピオン教育も行います。これはU10グリーンボールの地域選抜の大会で行われるものと同じ趣旨です。
JTA富士山プロジェクトの一環として、U12・U14の世界大会で活躍できる将来の選手の発掘・育成に向けたプログラムであることが説明されています。
つまり、全国の同世代トップ層に近い選手を集めて、世界を意識した育成のきっかけを作るキャンプと考えると分かりやすいでしょう。
対象は正確には小学5年生以下
対象選手は2026年4月1日時点で小学5年生以下です。
このように、暦年ではなく、学年単位で判断されるのも大きな特徴です。
各都道府県協会の推薦を受けている者、各都道府県より男女1名ずつ推薦、日本テニス協会からのワイルドカード枠は最大3名まで、という条件もあり、整理すると基本的な対象は次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢・学年 | その年度の4月1日時点で小学5年生以下 |
| 推薦枠 | 各都道府県から男子1名・女子1名 |
| 追加枠 | 日本テニス協会推薦のワイルドカード枠、最大3名 |
全国大会に申し込むように誰でもエントリーできる大会ではなく、都道府県協会から推薦されます。
この募集の在り方は都道府県でまちまちです。例えば東京では公に開示されず、資格がある人にお声がけがあるパターンもあれば、神奈川のように個人が応募してその中から選ばれる形式もあります。神奈川県テニス協会の案内では、参加希望者は県協会の申込み方法に従って申し込む形になっています。
また、都道府県のテニス協会単位で選抜されるため、在住が条件ではなく、所属するクラブ次第で、近隣都道府県も選択できることとなります。
選ばれる基準は?基本はランキングだが都道府県次第
一番気になるのは、どういう基準で選ばれるのか、ですね。
最終的な推薦方法は各都道府県協会に委ねられていますが、多くの都道府県ではランキングが重要な基準になっています。ランキングは順位を数値化するので、客観的に選抜できる有力指標です。
たとえば神奈川県の2026年案内では、推薦順位について「申込者の中で2月15日発表ランキングにより選考」と明記されています。同順位の場合はジュニア委員会で抽選、また過去に参加した選手は推薦順位が低くなるとも書かれています。
香川県の2026年選考結果では、推薦に至った経緯として、2026年4月1日以降で小学5年生以下であること、香川トレセンメンバーであること、香川県ジュニアランキング12歳以下で最上位であること、という観点が示されています。
兵庫県では、選考結果の案内において、男女各1位の選手情報を主催事務局へ連絡し、上位選手に欠場があった場合は順次控え選手に権利を移すと説明されています。
福島県の2025年案内でも「福島県ジュニアランキングより男女1名と記載されており、ランキングをもとに男女1名が選ばれていることが分かります。
これらをまとめると、選考基準はおおむね下記の通り。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 学年・年齢条件 | その年度の4月1日時点で小学5年生以下 |
| 所属条件 | 各都道府県協会の推薦を受けること |
| 成績・ランキング | 都道府県ジュニアランキング、U12ランキングなどが中心 |
| 追加条件 | 県によっては申込み、トレセン所属、登録カード提出など |
| 過去参加歴 | 2025年要項では、より多くの選手に機会を提供するため、過去参加者は推薦しないよう求める記載あり。 2026年の神奈川県案内でも過去参加者は推薦順位が低くなると記載あり。 |
このように、全国で一律の選考会があるというよりは、各都道府県のランキングや強化方針をもとに、県協会が推薦選手を決める仕組みですね。
そのため、同じ安藤財団のU11キャンプでも、県によっては自動的にランキング上位者へ声がかかる形かもしれませんし、県によっては申込制、トレセンメンバー条件、一定期日までの登録・申請が必要になる場合もあります。
制度の抜け道も
本気になったジュニアテニス選手がどうするか。関東を念頭において説明します。
まず、どのテニス協会に所属するかは、小学生については「在住」と「所属するテニスクラブ」でどちらか選択できます。つまり、都道府県を越境して他のスクールに通っている選手は、二つの選択肢があります。
例えば、どうしても上位に立ちたいが、所属する都道府県でポイントが足りない場合、他の都道府県へ移籍してということもできてしまいます。しかし、あまりに直前に移籍すると、元1位で頑張っていた子にとっては大きな迷惑で遺恨を残す危険もあります。
1位となると予め強い子の分布が早い段階で固まるので、できれば1年以上前から先を見据えて動いておくと良いでしょう。
キャンプの内容
主な内容として次の3つが挙げられています。
| 内容 | 目的・特徴 |
|---|---|
| レジェンドコーチ・ナショナルコーチによる指導 | 国内外で活躍したコーチやJTAナショナルコーチが指導 |
| 運動能力測定・フィジカル指導 | 11歳で身につけたい柔軟性、敏捷性、コーディネーションなどを確認・指導 |
| チャンピオン教育 | 心・技・体・知・徳を学び、世界を目指す姿勢を育てる |
特に印象的なのは、テニス技術だけではなく、フィジカルや座学も含まれている点です。
座学の例としては、トッププレーヤーが持つマインド、コンディショニング、栄養、睡眠、体力、表現力、テニスの歴史、メディアトレーニングなどが挙げられています。
小学生年代のジュニアテニスでは、どうしても「試合に勝つ」「ランキングを上げる」「強い大会に出る」という部分に目が行きがちです。もちろん、それも大事です。
ただ、このキャンプの内容を見ると、単に強い子を集めて練習するだけではなく、将来もっと上を目指すために、今のうちから何を意識すべきかを学ぶ場という色合いが強いように感じます。
特に栄養や食事については情報が多く非常に有意義です。このような講義を小学生に適した形で専門的に実施してくれるのはチャンピオン教育ぐらいでしょう。

日程・会場・宿泊・交通費
2026年の要項では、キャンプは3回に分けて実施され、各都道府県はいずれか1回に参加する形とされています。
推薦された男女選手は原則として同一会場への参加となります。
2026年の会場例は以下の通りです。
| 回 | 日程 | 会場 |
|---|---|---|
| 第1回 | 2026年5月22日〜24日 | ブルボンビーンズドーム(兵庫県三木市) |
| 第2回 | 2026年6月12日〜14日 | ひなたTENNIS PARK MIYAZAKI(宮崎県宮崎市) |
| 第3回 | 2026年6月26日〜28日 | 東京会場 |
宿泊については、選手の宿泊は日本テニス協会側で手配され、同性選手の少人数、2〜4名程度での宿泊が予定されています。交通費についても、参加選手、つまり各都道府県の男女各1名分について、自宅から会場までの交通費がキャンプ終了後に支払われます。
海外派遣につながる可能性も
このプロジェクトの大きな特徴のひとつが、キャンプの先に海外派遣の可能性があることです。
2026年要項では、国内キャンプ参加者の中から男女若干名を選考し、年内に海外派遣を行う予定とされています。
海外派遣選手を選ぶために別途選考キャンプが実施され、各キャンプから数名が選抜される流れです。第3回キャンプ終了後、選考キャンプ招待者へ個別連絡があります。
2025年の公式サイト情報では、海外派遣としてアメリカ、特別派遣としてイギリス・フランスなど、単発の国内キャンプだけで終わらない充実したプロジェクトが準備されています。
都道府県代表としてキャンプに参加した全員が海外派遣に行けるわけではありませんが、U11の段階で全国の同世代トップ層と練習し、ナショナルコーチやトップレベルの指導者から見てもらい、その先の海外派遣選考につながる可能性があるという点では、貴重な経験を積めます。
選ばれるメリットは何か
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 全国の同世代選手と練習できる | 各都道府県から推薦された選手が集まる |
| 普段と違う指導を受けられる | レジェンドコーチ、ナショナルコーチなどによる指導 |
| フィジカル面を見直せる | 運動能力測定や正しい運動動作の指導 |
| オフコート教育を受けられる | 栄養、睡眠、マインド、表現力などを学ぶ |
| 海外派遣につながる可能性 | 国内キャンプ後、選考キャンプ・海外派遣の流れがある |
| 費用面のサポート | 選手宿泊や交通費について公式要項に支援記載あり |
| 自己肯定感の醸成 | 選ばれた事実が自信や選手としての自覚向上を促す |
小学生年代では、普段の練習環境がどうしても地域やスクールに限られます。
その中で、全国から集まる同世代の選手と一緒に練習できることは、技術面だけでなく、意識面でも大きいはずです。
これらの非日常な刺激は、親が何度言っても伝わらないことがあります。
何より大きいのが、選ばれた事実をもって、本人のモチベーションに繋がることでしょう。
選ばれなかったからといって悲観する必要はない
ここは、親として一番大事にしたいところです。
このプロジェクトは、各都道府県から男女1名ずつという非常に限られた枠です。
47都道府県で男子47名、女子47名が基本枠。そこにJTA推薦のワイルドカードが最大3名という形です。
つまり、どれだけ頑張っていても、同じ県・同じ学年に強い選手がいれば選ばれないことは普通にあります。
選ばれなかったとしても、それだけで見込みがないと考える必要はまったくないし、羨む必要も全くありません。
むしろ、このプロジェクトは今の時点で県から推薦される位置にいる選手に与えられる機会であって、ジュニアテニスの将来を決める最終選考ではありません。
小5前後の成長差は大きく、身長、筋力、試合経験、メンタル、試合数、所属環境によって結果は大きく変わります。
目指すなら何を意識すればよいか
もしこのプロジェクトをひとつの目標にするなら、まず確認すべきなのは、自分の都道府県の選考方法です。
公式要項では各都道府県協会の推薦が必要とされているため、実際の選考は県協会・ジュニア委員会の案内を見る必要があります。過去の選抜方法を調査して準備しますが、基本はランキングです。
ランキングについては、日々の大会結果の積み重ねです。
関東でのポイントの効率よい取得は下記に全て書いてあります。
人数が減少する中で明らかにポイント制度には不備があり、この盲点をつくことで、一年ほどでかなり計画的にポイントゲットできます。
令和の関東ジュニアポイント戦略:基本から最新の現状まで | テニジュ
安藤財団に選ばれたいと思ってから急に狙うというより、普段から県内のU12ランキング上位に入るための大会選び、試合経験、ポイント管理が必要になってくるでしょう。
ただし、小学生年代で大事なのは、ランキングだけを追いすぎないことです。
このプロジェクト自体も、技術だけでなく、フィジカル、マインド、コンディショニング、表現力などを重視しています。そう考えると、目先の勝敗だけでなく、長く伸びる土台を作ることも同じくらい大切です。


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