小学生までの子供がテニスを始めて、続けたいと思った場合は、テニス自体が楽しいからそう言いますよね。
しかし、テニスには競技の側面があり、この世界に飛び込み、深く関わっていくと、競技の厳しい一面も見えてきます。
テニスは楽しむものか、技術を向上させて競っていくのか。
今日は、ジュニアテニスで多くの子が経験する「5つの壁」について整理してみます。
スクールの壁 ― そもそも興味を持てるか
一番最初の壁は、「勝てるかどうか」ではありません。テニスに興味を持てるかどうかです。
レッドボールの時期、ラケットを振ること自体が楽しい子もいれば、ボール拾いで飽きてしまう子もいます。
この段階では、技術も結果も関係ありません。
・ラケットにボールが当たるのが楽しい
・コーチが好き
・友達と走り回るのが楽しい
このどれかがあれば十分です。
やはりスクールの指導方針を前提に、コーチの影響が大きいのかなとは思います。
コーチが楽しく盛り上げてくれて、楽しいと思うことは多いでしょう。
この壁は低く見えて、実は一番重要です。
ここを自然に越えられた子だけが、次のステージへ進みます。
試合の壁 ― オレンジボール世代
スクスクのっぽくんや草大会など、外部試合に出始めるのがこの時期。
この過程では、スクールのクラスで一番になった子も多いわけですが、ここで多くの子が「思っていたより勝てない」問題に直面します。
スクールではラリーが続き、ゲーム練習ではそこそこ取れていても試合では
・緊張で足が止まる
・サーブが入らない
・点数が数えられない
そして、あっさり負ける。
オレンジボールは、テニスを始めた子と試合慣れしている子が同居しつつも、その差がはっきり見えるカテゴリーです。勝てるまでに時間がかかるのは普通で、続けていればいつかは勝てるようになるカテゴリですが、ここでの壁は、勝てない間に心が折れずに続けられるかどうか。
親が焦っても、本人が自信を失っても、伸びるものも伸びません。
この時期のポイントは、子供の性格で切り分けて、負けず嫌いでリベンジに燃えていれば気にせず継続。
傷ついていれば、少し間を空けるのも良いでしょう。
そもそもテニスは楽しむもので、無理して参加する必要もありません。
選手の壁(U10) ― 本気の競争が始まる
グリーンボールになると、球筋だけでなく、周囲の空気も変わってきます。
オレンジボールで優勝してグリーンボールに移行した子、選手クラスでバリバリ練習している子、もともと競技思考でここから入ってきた本気の家庭。
ここがいわゆる「競技テニス」の入り口で、スクスクなどの参加選手も、このグリーンボールが一番賑わっていると感じます(イエローになると公認思考となるため)。
このグリーンボール市場でも時間をかければ勝てるようになりますが、オレンジボールよりも時間がかかり、選手クラスに入っている子が常時活躍しやすい土壌ではあります。週1、2回のテニスですとなかなか苦しく、これだけで優勝する子は少数になります。
逆に、選手クラスで週5程度研鑽を積んでいれば、時間とともに結果はついてきます。
このため、この年齢まで、親が管理するインスタや選手間の交流が盛んな年代でもあります。
公認大会の壁(U12) ― 「楽しい」との共存が難しくなる
小学校高学年では、公認大会が本格化します。
ランキング、シードなど、ここから一気に競技色が強くなります。
勝ちたいがあまりにイモり行為(不正)も増え、トラブルも増えます(今年も変わらず聞こえてきます)
テニスは楽しいはずなのに、負けると辛い、友達もライバル、インスタトラブル、、
「楽しい」と「勝ちたい」が両立しづらくなるのが、U12の壁です。
中学受験を理由にテニスのペースを落とし、そのままフェイドアウトしてしまう子も非常に多い。
テニスを続けていれば、常時連絡を取り合うほどでもないが、現場でよく話す程度のお友達がたくさんできますが、シードでもなければ急にいなくなってもすぐには気づきません。
時間差で辞めたと聞いたり、二度とお会いすることがなかったり。
テニスだけで繋がっているだけに当然ですが、寂しい一面もあります。
このあたりから、子供のSNS管理も大変となります。
管理しているのは親ですが、子供の調子が悪くなることもあります。
特にあきらかに勝てなくなった場合など、負けの発信を楽しくないですよね。
そのような理由から、東京都テニス協会が危惧している通り、実名の発信は細心の注意を払う必要があります。
U10やU12で勝てても、その先で勝てなくなったら??子供が違う道に進みたくなったら?
もし揉めて(我が子がいつも正しいとは限らない)、嫌がらせされたら?
真偽を判断できない場で、デジタルタトゥーは残ります。
子供のSNSを始めるのであれば、寧ろこの時期以降、本当に強くなって、子供の判断能力がしっかりしてからでも良いかもしれません。
中学生の壁(U14) ― 現実を知る時期
U14になると、世界が一段広がります。
フィジカル差、海外選手、全国上位層の厚み。
U12で上位だった子も、ここで苦労するケースが出てきます。
やはり全日本まで進出しているような子はU14でも一定の活躍をしますが、同じく優勝できるかというと全く別。
更に感じるのが、海外の壁。
体格、パワー、育成環境。海外ジュニアではU12はまだまだ子ども扱いですが、U14から大きな世界大会を背景に本気になります。
近年日本のジュニアは結果を出していますが、実力者ほど、ここで早くも将来の進路の選択に迫られます。
恐らく、U12の全国レベルは、テニスに全振りして、十分な資本があれば充実した生活(勝てるかどうかは不明)が待っていますが、なかなかそうもいかないご家庭も多いはず。
U14は、夢と現実が交差するステージと言えるでしょう。
この頃になると、いつの間にか親のSNSが激減しますが、減少するのは子供の成長ももちろんですが、色々と苦しくなってくることが多いからでしょう。
まとめ
下記に整理します。
| ステージ | 壁の正体 |
|---|---|
| スクール初期 | 興味を持てるか |
| 試合(オレンジ) | 勝てない現実 |
| 選手(U10) | 本気の競争 |
| 公認(U12) | 勝利と楽しさの葛藤 |
| 中学生(U14) | 将来への不安と実力差 |
どの壁も避けられませんが、共通しているのは、親が焦らない事かなと。
勝ち続ける子より、一度落ちた子のほうが強くなることも多いです。
失敗を糧に努力して成功することを学べば、テニスだけでなく、人生においても先へ繋がりますね。
親としてできるのは、
・結果で愛情を変えない
・焦らない
・比較しすぎない
ことかなと。ジュニアテニスは、長い道のりです。
壁にぶつかったときこそ、「今は次のステージに入ったんだな」と、少し俯瞰して見てあげられると、親も子も楽になります。

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