現在、全日本ジュニアの予選が各地で開催中。
U12では、短い期間で急激に伸び、一歩抜きんでた選手が複数出てきます。
この差は単純なフィジカル・反復練習だけで説明できないことも多いです。
もともと恵まれた体格があり、練習を繰り返せば関東に行けるのも事実ですが、そうでない上手い選手もいますね。
身長もそこまで変わらない、球の速さも極端に違うわけではない。
それでも、試合になるとミスをせず、頭を使ったプレーで圧倒される。
この頭を使う、と言う点、その言葉は恐らく正しく、ここを理論的に解釈すれば答えが見えてきます。
この点、小学生段階で一歩上に行く選手はミスを減らす再現性だけでなく、戦略を持っています。
戦略がある選手に対して、戦略がない選手は、自分のない引出しを持っていることで、頭がよく見えます。
この戦略を大きく二分して考えてみます。
強い選手はミスをしないだけではない
小学生では、県予選あたりまで、まずはとにかくミスを減らせばある程度勝てます。
ある程度の球威のストロークやサーブで帰ってこなければ良いので、ここは練習差が出ます。
しかし、関東大会以上に進むレベルになると話が変わります。
ただ返してしのぐだけでは、相手に主導権を渡してしまいます。
そして、主導権を握られると、相手の意図を持った攻撃が続き、こちらのミスが増えていく。
重要なのは、ミスをしない反復力の上に「どうポイントを取るか」という戦略が乗っているか。ここが大きな分岐点になります。
小学生に適した戦略
我が家も近場では強いと褒めて頂けることもありましたが、U12全国レベルではそうはいかず。
最後の一年、明確に気づいたのが戦略の差でした。
戦略は戦を略すと書く時の如く、テニスにおいては試合を終わらせるための手段。
ラリーをいつまでも続けているうちは、正確性はあるかもしれませんが、攻め手に欠けているとも言えます。
この戦略は一つの言葉では語れませんが、「自分のペースに持ち込むためにパターンがあること」を意味します。
なお、個別具体的なパターンも含むので正確には「戦術」といっても相違ないのですが、今回はより大きな括りで戦略として進めます。
この戦略があるかないかは、ワンピースでいうと覇気がない、鬼滅で言うと呼吸が使えない、そんな状態です(わからなかったらごめんなさい)。
先に言っておくと、U14以降になるとこの戦略があっても必ずしも勝てません。
何故かというと単純です。周囲も大人と同様、考えてプレーをするのが当たり前になるからです。小学生の場合はどうしてもこの領域に入ってくる選手がまちまちなので、差が大きくなります。
これに早く気づく事ができれば、今あるフィジカルや反復練習のスキルを伸ばし、優位に立てます。
以下、2パターンに分けます。
①自分で創造する思考型
これはいわゆる考える選手です。
・相手の弱点を見つける
・試合中に配球を変える
・ポイントの流れを読んで選択を変える
まるでAIのように、情報を吸収しながらプレーを組み立てていきます。
特徴としては、テニスそのものが好きだったり、指示されすぎるのが苦手だったり、試合中に自分で試すことを楽しめる選手。こういうタイプは、コーチが細かく型を押し付けるよりも、考える余白を与える方が伸びます。
自分で考えると言っても、その材料は周囲から自然に学び取っていきます。テニスの観戦が好きだったりすると、そこで見たことを吸収して自分の引き出しに入れることもあります。
今のポイント、どうすれば良かったと思う?
とか、
相手はどこが嫌そうだった?
など、こういう問いかけが効果的でしょう。
② パターンを積み上げる反復型
もう一つは、明確な型を持つタイプで、こうすればポイントが取れるという勝ちパターンを何個も持っている選手です。サーブ・リターンからの展開で、先の動きがある程度設計されていることが特徴です。
このタイプは、練習が好き、同じことを繰り返せる、理屈を理解できる理論派に向いています。
今回、お話ししたかったのはここです。①はやや先天性な印象もありますが、②は汎用性があります。
一歩上の選手は「3球目・5球目」を意識している
小学生のうちに差がつくポイントがここです。
何球目で決めるかを意識すると、勝ちパターンの練習になります。
多くの小学生は、とりあえず返してラリーが続けることに終始しがちで、ゲームが成り行きで直感に任せがちです。
一方、最前線の選手は違い、 サーブ or リターンの時点で、3球目・5球目のイメージを持っています。
これだけで、試合の組み立てが全く変わります。
3球目までの戦略:サーブから主導権を握る
まずは最も基本で、かつ一番差がつく形です。
■パターン例(右利き想定)
- サーブを相手バック側へ(ワイド or ボディ寄り)
- 甘い返球(クロス or センター)を誘う
- フォアでオープンコートへ決める
もう一歩具体的に分解すると
このパターンは「3球で決める」のではなく、 サーブの時点で返ってくる場所を予測しています。
例えばバック狙いサーブの場合、ジュニアはバックで強打しにくいこと、体勢が崩すことを狙います。
同時に、スライスや当てるだけの返球になるか、得意か苦手か見極めます。
うまく打てれば、センター〜バッククロスに浅く浮くボールが来ることが多いでしょう。
ここまで読めていれば、サーブ後すぐフォア側に回り込む準備や、ベースラインより少し中に入る意識が自然にできるようになります。
これを単純なところから一緒に動いて反復練習してあげると良いです。
将棋のように、ここへ来たらこう打って、それでポイント。
このパターンを増やしていきます。
具体的な「動き」のイメージ
具体的な動きのイメージが大事です。
- サーブを打つ
- 着地した瞬間に「一歩目」をフォア側へ
- スプリットステップを早めに入れる
- 甘いボールが来たら迷わずフォアで攻撃
打つ前に動き始めているかで3球目の質が変わります。
ここができていないと、反応が遅れ、体勢が崩れ、ただ返すだけになる、、
という状態になります。
コースの使い分け(実戦での応用)
同じパターンでも、少し変えるだけで効果が上がります。
バック深く(安定型)
→ クロスラリーになりやすい
→ 3球目をフォアでしっかり展開
バック浅め or ボディ(崩し型)
→ 詰まらせて短いボールを誘う
→ 前に入って叩く
深くで崩すか、浅くで詰まらせるか、も意識できると一段上となります。
練習でできること
おすすめは下記です。
- サーブ → コーチがバックに返球
- 必ずフォアで3球目を打つ
- コースを決めて打ち分ける(クロス or ストレート)
3球目までを1セットとして反復すると良いでしょう。これをやるだけで試合の形が変わります。
5球目までの戦略:リターンから勝負を決める
リターンは「守り」ではなく「仕込み」です。
■パターン例
- リターンを深くセンターへ
- 相手の3球目を無理させる
- クロスラリーで優位を作る
- 浅くなったボールを5球目で攻撃
なぜセンターなのか?
センターに打つことで、相手の角度を消し、コートを広く使わせない、強打しづらくする、つまり 相手にいい3球目を打たせないようにすることが目的です。
これが目的です。
ジュニアは角度をつけるのが苦手だったり、センターに来ると判断が遅れることがあるので、効果があります。
5球目で決めるための流れ
このパターンは強い相手程我慢が必要です。
① リターンはとにかく深く(ライン際を意識)
② 相手の3球目は“強くてもOK”と割り切る
③ 4球目(自分)はクロスで安定
④ 相手が崩れたら5球目で攻撃
2回耐えて、1回で仕留めるイメージです。
攻撃に切り替えるタイミング
判断基準はシンプルでOKです。相手のボールが浅くなったらGO!など。
具体的には、
- サービスラインより内側に来た
- バウンドが高い
- スピードが落ちている
このどれかが来たら、 迷わず攻撃モードに切り替えます。ここで躊躇すると、また守りに戻ります。
よくある失敗(リターン側)
- リターンでいきなりエース狙い
- 浅いリターンで逆に攻められる
- 4球目で無理してミス
これはかなり多いです。
特に小学生は、すぐ決めたくなるので、このパターンを覚えるだけで安定感が一気に上がります。
練習方法
- コーチがサーブ
- リターンは必ずセンター深く
- その後クロスラリー
- 5球目で攻撃(コース指定)
5球目まで続けることをルール化します。
これだけで、我慢する力、攻撃のタイミング、判断力が一気に伸びます。

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