ジュニアテニスを始めて外部の試合に参加すると、周囲のジュニアがバッグの中に何本もラケットが入れているのに気づきます。この点、試合を続けていれば成長に伴って必要となりますが、オレンジボールの段階であればまだ急ぐ必要もありません。
ジュニア期は、成長段階や使用しているガットの種類によって、必要な本数の考え方が大きく変わります。
初心者のうちは1本で十分ですが、試合に出始める頃には状況が変わり、さらにガットの種類がナイロンからポリエステルへ移行すると、また考え方が変わってきます。今回、「ナイロン期」と「ポリ期」という視点で整理してわかりやすく説明します。
ラケット本数の基本的な考え方
ジュニアのラケット本数は、単純に「上手くなったら増える」というものではありません。
実際には次の3つの要素で決まることが多いです。
・試合に出る頻度
・ガットの耐久性
・使用しているガットの種類
この中でも特に影響が大きいのがガットです。
ジュニアは基本的に最初はナイロンガットを使用し、成長とともにポリエステル(通称ポリ)へ移行していきます。
この「ナイロン期」と「ポリ期」で、ラケット本数の考え方はかなり変わります。
ナイロン期のラケット本数の目安
ジュニアの初期段階では、ガットはナイロンを使用するケースがほとんどです。
ナイロンは柔らかく扱いやすい反面、スイングスピードが上がると徐々に切れやすくなります。
そのため、テニスの成長とともにラケット本数の必要性が変わってきます。
以下はナイロン期の一般的な目安です。
| 段階 | ラケット本数の目安 | 状況 |
|---|---|---|
| 初心者〜オレンジボール | 1本 | ガットがほぼ切れない |
| 試合に出始め | 1〜2本 | 念のため予備を検討 |
| ガットが切れ始める | 2本 | 試合中の予備が必要 |
| 頻繁に切れる | 3本 | 2週間持たない場合 |
初心者やオレンジボールの段階では、基本的にラケットは1本で十分です。
この時期はまだスイングスピードがそれほど速くないため、ガットが切れること自体ほとんどありません。
しかし、グリーンボールに移行し試合に出始めると状況が変わります。
この頃になるとガットが切れることが出てきますし、試合中に切れる可能性も出てきます。
このため、ガットがもろもろになってきたら2本体制検討のサイン、切れるようになったら試合継続にも支障が出るので2本体制が必須となります。因みにこのガットのもろもろは、初心者目線ではヒッティングが適正な場所で打てているかチェックできます。
さらにスイングが強くなり、ナイロンガットが頻繁に切れるようになると2本では窮屈になります。
ガットの張替も毎回即日できるわけではないでしょうから、張替え中に切れたり(そうなることを心配したり)、たまたま日本続けて切れたりする心配しなければなりません。
目安として、ナイロンが2週間持たないような状況になると、3本必要になるケースも多いです。
ポリ期になると本数の考え方が変わる
ジュニアが成長してくると、ナイロンではなくポリエステルガットを使う選手が増えてきます。
この「ポリ期」に入ると、ラケット本数の考え方は少し変わります。
ポリエステルはナイロンと違い、使用によって自然に切れるというより、機能低下のタイミングをある程度コントロールできるという特徴があります。
多くの選手は「切れるから張り替える」というより、「テンションが落ちたから張り替える」という感覚になります。
そのため、運用としては2本でも回しやすくなります。
ただし、この段階では別の理由で3本欲しくなるケースが多いです。
それはガットやテンションの試行錯誤です。
ポリを使う選手は勝利にこだわる上位選手が多いでしょう。テンションは何ポンドが合うのか、どのポリが打ちやすいのか、ハイブリッドがいいのかなど調整を行う時期でもあります。
そのため、1本は試合用、1本は練習用、もう1本はテスト用という形で3本を持つ選手も少なくありません。
ラケットは最初から複数本買う必要はない
上記の流れですと、最初から2本、3本買った方がいいのではと思うかもしれませんが、基本的にはその必要はありません。これと決めたラケットが定まるまでは1本、2本で運用できることも多いです。
ジュニア期は、ラケットの重さ、フェイスサイズ、バランスなどの好みがかなり変わります。
また、特に身長が伸びる時期はラケットのインチも年単位で変わってきます。
このタイミングで大量に同じラケットを持ってしまうと、結果的に無駄になることもあります。
まずは1本、必要になったら2本。
そしてラケットが完全に決まってから複数本を揃える、という流れが現実的です。
ジュニアラケットと大人向け一般ラケットの違い
ラケット本数を考えるうえで、価格も重要な要素です。
ジュニアラケットは比較的安く、実勢価格で1万円前後のものが多いです。
仕様もジュニア向けに簡素化されていることがありますが、ジュニアのプレーに支障がある差ではなく、お買い得と考えて良いでしょう。このため、早い段階で2本体制にしても、家計への負担はそこまで大きくありません。
一方で、27インチの大人用ラケットになると事情が変わります。
このクラスのラケットは、実勢価格で2万円〜3万円程度することが一般的です。
そのため、いきなり3本揃えるとなると、それだけでかなりの出費になります。
ジュニア期は成長に伴ってラケットを変えることも多いため、大人用ラケットになってから複数本を揃えるという家庭も少なくありません。
つまり、
ジュニアラケット→ ガットが切れ、複数本必要になっても負担は比較的小さい。
大人用ラケット→ ガットが頻繁に切れるようになると、複数本購入が必要だが高額。
という考え方になります。
このように、初心者の頃は1本で十分です。
試合に出始めてガットが切れるようになったら2本。
ナイロンガットが1週間程度で切れるようになると、3本体制が現実的になります。
ジュニアラケットの頃は、安価なうちに色々と試すと良いでしょう。
いずれポリに移行すると、切れる頻度ではなく張り替えタイミングで管理できるようになるため、一応2本でも運用しやすくなります。
ラケットの本数は周りに合わせて増やすのではなく、ガットの状況や試合頻度を見ながら、必要なタイミングで増やしていくのが合理的と思われます。以上、少しでもご参考になればと思います。

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