英国で、16歳未満の子どものSNS利用を禁止する方針が示されました
このニュースを見ると、日本にはまだ関係ない話と感じるかもしれませんが、一部ジュニアにとってはキャッチアップしておきたい話です。
ジュニアスポーツ、とくにテニスのように実名・写真・大会結果がインターネット上に出やすい競技では、今後かなり重要なテーマになってくるでしょう。特に、この論点が話題に挙がる英国、オーストラリア、フランスなどはテニスが盛んな地域でもあります。
今回の英国の方針は、単なる思いつきの発言ではありません。英国政府は、16歳未満にSNSサービスを提供することを禁止する方針を示し、2026年内に議会へ提出し、2027年春ごろの施行を見込んでいます。つまり、すでに施行済みではないものの、政府方針として制度化に向けて進んでいる段階です。
ただし、ここで注意したいのは、英国では今すぐ16歳未満のSNS利用がすべて法的にアウトと断定するのは早いという点です。現時点では、これから議会での手続きや、Ofcomによる執行ルール、各SNS側の年齢確認の仕組みなどが詰められていく段階です。
いずれにせよ、海外では子ども本人がSNSを使うことへの規制が強まっているのは確かです。
ジュニアテニスの世界でも、選手本人がInstagramなどで実名・顔写真・戦績を出しているケースは珍しくありません。海外遠征、国際大会、留学を考える家庭にとっては、SNSでどう発信するかは、これまで以上に慎重に考えるべきテーマになっていきそうです。
英国で規制が想定される内容
英国政府が示している方向性は、16歳未満の子どもが主要なSNSを利用できないようにすることです。
対象として想定されているのは、Instagram、TikTok、Snapchat、Facebook、X、YouTubeなどの大手SNSです。英国では、16歳未満がこうしたサービスにアクセスすること自体を制限し、プラットフォーム側に年齢確認や利用防止の仕組みを求める方向で議論が進んでいます。
また、SNSだけでなく、ライブ配信、ゲーム内での見知らぬ大人との接触、AIチャットボットなども問題視されています。つまり、単に「投稿できないようにする」というより、子どもがオンライン上で大人や不特定多数と接触したり、アルゴリズムに長時間引き込まれたりする環境そのものを見直そうとしているのです。
ここで大事なのは、規制の中心が「子ども本人のSNS利用」にあるという点です。
子ども本人がアカウントを作る。
子ども本人がプロフィールを登録する。
子ども本人が投稿する。
子ども本人がコメントやDMを見る。
子ども本人がライブ配信をする。
こうした行為が、英国の規制では問題の中心になります。
一方で、親が子どものことをブログやSNSに書くことまで、今回の英国方針が直接禁止しているわけではありません。ただし、それは「親が何を書いてもよい」という意味ではありません。親が子どもの写真、実名、所属、大会結果、講評、メンタル面まで出し、それを商材の宣伝に使うような発信は、SNS年齢規制とは別に、子どものプライバシーや肖像、将来の同意という観点から世間の目が厳しくなっていく可能性があります。
どれくらい実現性があるのか
今回の英国方針は、すでに政府発表として示されており、2026年内に議会へ提出され、2027年春ごろの施行が見込まれています。そのため、実現性は低くないと考えられます。
実現性が比較的高い理由は、英国にはすでにOnline Safety Actというオンライン安全法の枠組みがあるからです。英国では、子どもを有害コンテンツから守るため、プラットフォーム側に年齢確認や安全対策を求める制度がすでに動き始めています。今回の16歳未満SNS禁止は、まったくゼロから作る新制度というより、既存のオンライン安全規制をさらに強める流れの中にあります。
一方で、実際にどこまで厳しく運用できるかは、まだ分からない部分もあります。年齢確認をどのように行うのか、既存アカウントをどう扱うのか、短期滞在の外国人や留学生をどう扱うのか、VPNなどの回避策にどう対応するのか。このあたりは今後の制度設計にかかっています。
つまり、英国の方針は「実現性の低い観測記事」ではありません。ただし、「すでに完全に始まっている制度」でもありません。正確には、「制度化に向けて進んでおり、2027年春ごろの施行が見込まれる段階」と見るのがよいと思います。
ジュニアテニス家庭としては、今すぐ過度に慌てる必要はありません。ただ、海外遠征や国際大会を考えるなら、15歳以下の本人運用アカウントについては、早めに見直しておく方が安全です。
他国にも広がる可能性
この流れは、英国だけのものではありません。
すでにオーストラリアでは、16歳未満のSNS利用を制限する法律が成立しています。オーストラリアでは、対象SNSに対して、16歳未満の子どもが新しくアカウントを作ることだけでなく、既存アカウントを持ち続けることも防ぐよう求める方向です。
これはかなり大きな意味を持ち、すでにアカウントを持っているから大丈夫、ではなく16歳未満がそのアカウントを持ち続けること自体が問題になるという考え方です。
EUでも、子どもをオンライン上の有害コンテンツや過度な利用から守るため、年齢確認アプリや年齢認証の仕組みを整える動きがあります。フランスなどでは、子どもの肖像権や親による子どもの写真投稿、いわゆるシェアレンティングについても、子どもの権利として考える流れが強まっています。
つまり、国際的な流れとしては、「子ども本人のSNS利用を制限する」方向と、「親による子どもの出しすぎにも注意する」方向の両方が進んでいると見てよいと思います。
ジュニアスポーツの発信も、この流れと無関係ではありません。特にテニスは、個人競技であり、大会結果、ランキング、所属クラブ、地域、年齢が結びつきやすい競技です。実名と写真が出ていれば、かなり簡単に個人が特定されます。
日本で気を付けたいこと
日本では、現時点で英国やオーストラリアのように、16歳未満のSNS利用を一律に禁止する制度はなく、予定もありません。このため、日本国内で15歳以下のジュニア選手がInstagramなどを使っているからといって、直ちに法的にアウトというわけではありません。
ただし、将来の海外遠征や国際大会、留学を考える場合は別です。英国やオーストラリアのような国に入ったとき、その国の制度上、16歳未満の本人がSNSを利用することが制限される可能性があります。特に注意したいのは、本人投稿です。
15歳以下の選手本人が、実名アカウントで、顔写真や試合結果を載せ、コメントやDMを見て、自分で投稿している場合、その国のルールによっては規制対象になる可能性があります。少なくとも、英国やオーストラリアのような考え方が広がれば、「本人が運用しています」という形はかなり弱くなります。
日本ではまだ法的に問題になっていなくても、海外では16歳未満本人のSNS利用と見られる可能性も無きにしも非ず。
悪意のないドーピングみたいなものでしょうか、知らないことがいつの間にかルール違反になっていたり、無用なリスクは避けたい所。
では、親が管理していますと書けばよいのでしょうか。
よく、managed by parentsという表記がなされていますね。
ここは、当面大丈夫、だが世間の反応まで含めるとかなり注意が必要です。
表向きに「保護者管理」と書いていても、実際には子ども本人がログインしていたり、コメントやDMを見ていたり、自分で投稿内容を決めていたりする場合、規制の趣旨から見ると脱法的に見られるかもしれません。
そうでなくても、そう判断して絡んでくる方がいるかもしれません。
法律上すぐにアウトかどうかと、社会的に反感を持たれるかどうかは別ですから、内容には十分気を付けて、アンテナを張って、社会的な潮流は意識されると良いでしょう。数年後にはまた違った環境になっているかもしれません。


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