ドロップボレー・ドロップショットの打ち方と対策ガイド:ジュニアテニス選手が覚えたい基本と練習方法

公認大会に出始めると、ネット際に短く落とすプレーが少しずつ増えてきます。ベースラインで打ち合っていると思ったら、急に短く落とされる。ネット前に出た相手が、普通のボレーではなくポトンと落としてくる。追いついたとしても、次のボールで逆を突かれる。上手い子は本当に上手いです。

まず初めに申し上げると、ジュニアの試合では、ドロップショットやドロップボレーが主流というわけではありません。基本になるのは、深く安定したストローク、サーブ、リターン、フットワークです。低年齢のうちは、まずラリーを続ける力や深く返す力の方が重要です。ただし、上位になるほど、短く落とす技術を持っている選手はかなり厄介です。強いボールを打てる構えから、ぎりぎりまで相手をだましてネット際に落とす。ネット前では相手のボールの勢いを吸収し、低く跳ねにくいボールで短く処理する。こうしたプレーができると、相手を前後に大きく動かすことができます。

最近のトップ選手では、カルロス・アルカラスのように、強烈なストロークを警戒させたうえでドロップショットを使う選手がよく話題になります。ジュニアがそのまま真似する必要はありませんが、「強く打てる構えから、相手を止めて、最後に短く落とす」という考え方は参考になります。一方で、ドロップ系のショットは多用すればよいものではありません。使いすぎると相手に読まれ、深いボールの威力も薄れます。だからこそ、試合の流れを変えたいとき、相手のペースを乱したいとき、相手が後ろに重心を残しているときに使うと、非常に効果的な武器になります。
今回は、ジュニア向けに、ドロップボレーとドロップショットの違い、基本の打ち方、使うタイミング、相手に使われたときの対策、練習方法まで整理します。

目次

ドロップボレーとドロップショットの違い

まず整理しておきたいのは、ドロップボレーとドロップショットの違いです。どちらも相手コートのネット際に短く落とすショットですが、打つ場面が違います。ドロップショットは、基本的にはワンバウンドしたボールを短く落とすショットです。ベースライン付近やサービスライン付近から、相手を前に走らせる目的で使います。一方、ドロップボレーは、ネット付近でノーバウンドのボールをボレーの形で短く落とすショットです。相手のボールの勢いをラケット面で吸収し、ネット際にポトンと落とします。

ジュニアの現場では、まとめて「ドロップ」と呼ばれることもあります。ただ、練習では分けて考えた方が分かりやすいです。ワンバウンド後に短く落とすのがドロップショット、ノーバウンドで短く落とすのがドロップボレー、と整理しておくと、打ち方や練習方法も理解しやすくなります。

用語主な場面打ち方の特徴ジュニアでの位置づけ
ドロップショットラリー中、ワンバウンド後のボール通常のストロークに見せて短く落とす主流ではないが、流れを変える武器になる
ドロップボレーネット付近、ノーバウンドのボールボレーの形で勢いを吸収して落とすネットプレーの応用として使いやすい
ドロップリターンサーブに対するリターンサーブの勢いを利用して短く返す難しいが、できると上位相手にも有効

ドロップ系のショットはラリーの代わりではない

多くのジュニアにとって、試合の中心になるのはストロークです。深く返す、ミスを減らす、左右に打ち分ける、相手より先に攻める。この土台がない状態でドロップ系のショットばかり覚えても、試合で安定して勝つのは難しいです。

特に小学生年代では、ドロップショットを多用するよりも、まずは深いボールを安定して打つ力をつけることが大切です。普段のボールが浅い選手がドロップショットを打っても、相手はもともと前にいるため、簡単に追いつかれてしまいます。一方で、深いボールや強いボールを持っている選手が、たまにドロップショットやドロップボレーを使えるとかなり有効です。相手は強打を警戒して後ろに重心が残るため、ネット際に短く落とされると一歩目が遅れます。

つまり、ドロップ系のショットは、ラリー力の代わりに使うものではありません。深いボール、強いボール、安定したリターン、ネットプレーがあるからこそ効く追加武器です。特に試合の流れを変えたいとき、相手が同じリズムで気持ちよく打っているとき、強打の打ち合いで相手のペースになっているときに、短いボールを混ぜると流れを変えやすくなります。

ドロップボレーとは

ドロップボレーとは、ネット付近でノーバウンドのボールを短く落とすボレーです。普通のボレーは、相手コートの深いところや空いているコースへ運ぶことが多いですが、ドロップボレーはドロップという言葉通り、相手コートのネット際に短く落とします。相手がベースライン付近にいるときや、こちらの深いボレーを警戒しているときに有効です。

ドロップボレーで大切なのは、相手のボールの勢いをそのまま返さないことです。ラケットでボールを強く弾くのではなく、面でやわらかく受け止めて、勢いを吸収します。基本は「衝撃吸収」です。相手のボールがラケットに当たる瞬間に、手元で少し力を抜き、ラケット面でボールを包むようにしてネット際へ落とします。

ラケット面は床に対してほぼ垂直、または少し上を向くくらいです。面が上を向きすぎるとボールが浮き、相手に叩かれます。逆に面がかぶりすぎるとネットにかかります。低い弾道で、ネットを越えてすぐ落ちるボールを目指します。
ここで注意したいのは、高いボールで無理にドロップボレーをしないことです。高い打点のボールは、基本的に決めボレーや深いボレーで攻めやすいボールです。そこでわざわざドロップボレーを選ぶと、ボールが浮きやすく、相手に追いつかれる時間も与えてしまいます。ドロップボレーは、ネットより少し上から腰くらいの高さで、相手の勢いを利用しながら短く落とせる場面の方が向いています。

ドロップボレーの打ち方

ドロップボレーは、手先だけでチョンと当てるショットではありません。まず、ネット前で普通のボレーと同じように構えます。ラケットを体の前に置き、相手のボールをよく見て、足を止めずにボールへ入ります。体重移動や準備の入り方は、通常のボレーと同じです。最初からドロップボレーを打つような小さい動きになると、相手に読まれて前へ走られてしまいます。

普通の深いボレーを打つように見せながら、最後のインパクトでボールの勢いを吸収します。大きく振るのではなく、ラケット面を安定させたまま、手元でふっと力を抜くイメージです。ボールを「打つ」というより、「受け止めて置く」感覚です。手首を使って細かく操作しようとすると面がぶれます。面を作り、その面を保ったまま、ボールをネット際へ運ぶ方が安定します。

また、弾道は低くすることが大切です。ふわっと高く上げると、相手に時間を与えます。ネットを越えてすぐ落ちる、低く短いボールが理想です。バウンド後に跳ねにくくするために、軽い下回転がかかるとさらに効果的ですが、最初から強い回転をかけようとしすぎる必要はありません。まずは衝撃を吸収し、低い弾道で短く落とすことを優先します。

チェック項目意識すること
構え普通のボレーと同じ準備で入る
体重移動通常のボレーと同じように前へ入る
ラケット面床に対して垂直、または少し上向き
力加減手元で力を抜き、衝撃を吸収する
スイング大きく振らず、面を安定させる
打点できるだけ体の前でとらえる
弾道低くネットを越えてすぐ落とす
注意点高いボールでは無理に使わない

ドロップボレーを使いやすい場面

ドロップボレーが使いやすいのは、相手がベースライン付近や後方にいるときです。相手が後ろにいる状態で、こちらがネット前に入り、普通の深いボレーを打つと見せて短く落とすと、相手はかなり前まで走らなければなりません。特に、相手がこちらの深いボレーや決めボレーを警戒している場面では有効です。
また、相手の返球が弱く、こちらが余裕を持ってネット前で触れるときも狙いやすいです。強く打って決めにいく選択肢もありますが、相手が後ろで構えているなら、短く落とした方が安全にポイントを取れる場合もあります。ただし、高いボールで無理にドロップボレーを狙う必要はありません。高いボールは、基本的には決めボレー、深いボレー、または相手のいないコースへのボレーを優先した方がよい場面が多いです。

使いやすい場面理由
相手がベースライン後方にいる前に走る距離が長くなる
相手が深いボレーを警戒している重心が後ろに残りやすい
相手の返球が弱い余裕を持って面を作れる
相手の足が止まっている一歩目が遅れやすい
普通のボレーを読まれている短く落とすことでリズムを変えられる

ドロップショットとは

ドロップショットとは、ワンバウンドしたボールを相手コートのネット際に短く落とすショットです。深いボールで相手を後ろに下げたあと、急に短いボールを打つことで、相手を前に走らせます。左右に振るだけでなく、前後の動きを加えられるため、相手にとってはかなり守りにくくなります。

ただし、ドロップショットは単に弱く打てばよいショットではありません。弱く当てるだけだとネットにかかりやすくなります。逆にネットを越えようとしてラケット面を上に向けすぎると、ボールが高く浮いてしまい、相手に前で叩かれます。良いドロップショットは、ネットをギリギリ越えて、ネットとサービスラインの間でもできるだけネット寄りに落ちます。サービスライン付近まで深く行ってしまうと、相手に追いつかれやすくなります。

さらに、バウンド後に前へ伸びすぎず、相手が走ってきても届きにくい、または届いても強く打ちにくいボールにすることが大切です。ここで重要になるのが回転です。ボールがバウンド後に跳ねすぎないように、下回転気味の回転をかけられると、相手は追いついても低い打点で処理しなければならなくなります。

ドロップショットの打ち方

ドロップショットを打つときは、まず普通のストロークと同じように構えることが大切です。最初からドロップショットを打つような小さい構えをしてしまうと、相手に読まれて前へ詰められてしまいます。良いドロップショットは、相手が「深いボールが来る」と思っているところから打ちます。
フォアハンドで打つ場合、テイクバックに入ったあと、通常のストロークに見せながらグリップを調整する感覚が必要になります。普段ウエスタングリップ寄りで打っている選手は、ドロップショットを打つ瞬間に少しイースタン寄りへ持ち替えると、面を作りやすくなります。ただし、このグリップチェンジが早すぎると相手に読まれます。テイクバックの流れの中で自然に変え、ぎりぎりまで強く打つ構えを残すことが大切です。
インパクトでは、手首をこねて操作しないことが重要です。手首を使いすぎると面がぶれ、ネットミスや浮いたボールが増えます。ラケット面を作ったら、その面を前へ送り出すだけ、という感覚の方が安定します。ボールを強く押すのではなく、面で受け止めて、低く短く落とします。狙いはサービスライン付近ではなく、ネットとサービスラインの間の中でもネット寄りです。ネットを越えてからトントンと低く弾むようなボールになれば、相手はかなり取りにくくなります。

チェック項目意識すること
構えできるだけ普通のストロークと同じ形で入る
相手を見る相手が後ろにいるか、足が止まっているかを確認する
グリップテイクバックの中でウエスタン寄りからイースタン寄りへ自然に調整する
打点体の前でとらえる
ラケット面少し開いて、ボールを受け止める
手首こねずに、面を送り出すだけ
弾道低くネットを越す
狙う場所ネットとサービスラインの間でも、できるだけネット寄り
回転下回転気味にして、バウンド後に跳ねすぎないようにする

ドロップショットを使いやすい場面

ドロップショットが使いやすいのは、相手を後ろに下げたあとです。深いトップスピンやロブ気味のボールで相手をベースライン後方に下げると、相手の意識は後ろに向きます。その状態で短く落とすと、相手は長い距離を前に走らなければなりません。
また、相手が左右に振られて体勢を崩しているときも有効です。コートの外に追い出したあと、オープンスペースではなくネット際に落とすことで、相手の戻りをさらに遅らせることができます。さらに、相手が同じペースで気持ちよく打っているときにも、ドロップショットは有効です。強打の打ち合いだけでは相手のリズムになっている場合、短いボールを混ぜることで相手のペースを乱し、試合の流れを変えるきっかけになります。
そして、ドロップショットを打った後は、基本的に前へ出る意識を持ちます。短く落としたボールを相手がなんとか拾ってきた場合、返球は浮いたり浅くなったりしやすいです。そこでこちらが後ろに残ったままだと、せっかく相手を崩したのに次の攻撃が遅れます。ドロップショットを打ったら、前へ詰めて次のボールで追い込む。このセットで考えると、より実戦的になります。

使いやすい場面理由
相手が後ろに下がっている前に走る距離が長くなる
深いボールのあと相手の意識が後ろに向きやすい
相手が左右に振られている体勢が崩れて前への反応が遅れやすい
相手の足が止まっている一歩目が遅れやすい
相手が強打を警戒している前への意識が薄くなりやすい
相手のペースになっている短いボールでリズムを変えられる

ドロップで意識するポイント

相手の動きをよく見ることが一番大切

ドロップボレーでもドロップショットでも、技術と同じくらい大切なのが、相手を見ることです。相手がどこにいるのか。ベースラインより後ろに下がっているのか。前に入りかけているのか。足が止まっているのか。こちらの強打を警戒して重心が後ろに残っているのか。この判断がないまま短く落としても、簡単に追いつかれてしまいます。
ドロップ系のショットは、打ちたいから打つものではなく、相手が取りにくい状況だから打つものです。相手が後ろに下がっているときは、前に走る距離が長くなります。相手が左右に振られて体勢を崩しているときは、前への一歩目が遅れます。相手が強打を警戒しているときは、ネット際のスペースが空きやすくなります。
逆に、相手がすでに前にいるときや、こちらのドロップを警戒しているときは危険です。その場合は、短く落とすよりも深く打つ、足元へ打つ、相手の逆を突くなど、別の選択をした方がよい場面もあります。

ぎりぎりまで相手を欺く

ジュニアで差が出るところです。
ドロップ系のショットは、相手に読まれると効果が半減します。相手から見ると、ドロップを打たれる前には分かりやすいサインが出ることがあります。急に構えが小さくなる、ラケット面が早く開く、体の動きが止まる、スイングが明らかに弱くなる。このような変化が早く出ると、相手はすぐに前へ走り出します。
ドロップショットでは、普通のストロークと同じ構えから入ることが大切です。相手に深いボールや強いボールを警戒させたまま、最後の瞬間に短く落とします。グリップチェンジも同じです。ウエスタンからイースタン寄りへ変えるとしても、最初から分かりやすく持ち替えるのではなく、テイクバックの中で自然に行い、相手に「ドロップが来る」と悟らせないことが大切です。
ドロップボレーでも同じです。ネット前で普通に深いボレーを打つように見せて、相手の重心を後ろに残したまま、最後にネット際へ落とします。体重移動や入り方は通常のボレーと同じにし、最後のインパクトだけで衝撃を吸収します。この「ぎりぎりまで分からない」ことが、ドロップ系のショットの大きな武器です。ボール自体が完璧でなくても、相手の一歩目を遅らせることができれば、十分に効果があります。

回転で跳ねないボールにする

ドロップボレーやドロップショットで大切なのは、短く落とすことだけではありません。バウンド後に跳ねすぎないことも重要です。短く落ちても、ボールが高く跳ねたり、前へ伸びたりすると、相手に追いつかれて攻撃されやすくなります。逆に、下回転がかかってボールが低く止まるように弾むと、相手は追いついても強く打ちにくくなります。
ただし、ジュニアが最初から強いバックスピンをかけようとしすぎると、ミスが増えます。ラケットでボールをこすりすぎると、ネットにかかったり、浮いたりします。最初は「ネットを越えて短く落とす」ことを優先します。次に「低く通す」ことを覚えます。そのあとで、「バウンド後に伸びない回転」を少しずつ加えていく方が安全です。
回転は大切ですが、回転だけでドロップが決まるわけではありません。相手を見ること、使うタイミング、ぎりぎりまで読ませないこと。この3つとセットになって、初めて有効なショットになります。

サーブに対するドロップリターン

少しレベルが上がってくると、サーブに対してドロップショット気味に返すプレーもあります。これはドロップリターンと考えると分かりやすいです。特に相手がサーブを打ったあとにベースライン後方へ下がるタイプだったり、強いリターンを警戒して後ろに残るタイプだったりすると、リターンで一発ネット際に落とせる選手は大きな武器を持つことになります。
サーブに対するドロップリターンは、普通のラリー中のドロップショットより難易度が高いです。相手のサーブにはスピードや回転があるため、ただ弱く当てるだけではネットにかかったり、浮いたりしやすくなります。だからこそ、ボールの勢いを吸収しながら、下回転をかけて短く落とす技術が重要になります。これが高確率でできるようになると、上位選手に対しても有効です。強い相手ほど、サーブから主導権を握ろうとします。そのサーブに対して、毎回強く返すだけでなく、タイミングよくネット際へ落とせると、相手はサーブ後の動きまで意識しなければならなくなります。
ただし、これは簡単なショットではありません。ジュニアがいきなり試合で多用すると、リターンミスが増える可能性があります。まずは通常のリターンを安定させることが先です。そのうえで、セカンドサーブに対して、相手の位置を見て、ネット際に短く落とす選択肢を少しずつ練習していくのがよいです。

場面狙いやすさ注意点
セカンドサーブ比較的狙いやすい回転に負けず、面を安定させる
相手がサーブ後に後ろへ残る有効になりやすい一発で短く落とす精度が必要
相手がネットへ出てくる危険ドロップではなく足元やパスを優先する
速いファーストサーブ難易度が高い無理に狙うとリターンミスが増える
大事なポイント状況次第確率が低いなら使わない判断も必要

ドロップ系のショットを使わない方がよい場面

ドロップ系のショットは便利ですが、使わない方がよい場面もあります。まず、相手が前にいるときです。相手がベースラインより中に入っている状態で短いボールを打つと、簡単に追いつかれてしまいます。特に足の速い選手やネットプレーが得意な選手には、甘いドロップは逆効果になります。
次に、自分の体勢が大きく崩れているときです。ドロップショットもドロップボレーも、ラケット面を安定させることが大切です。体勢が崩れている状態で無理に短く落とそうとすると、ミスが増えます。苦しい場面では、まず深く返して時間を作る方が安全です。
また、何度も連続で使うのも注意が必要です。一度決まるとまた使いたくなりますが、相手も警戒します。ドロップ系のショットは、相手が忘れた頃に使うから効果があります。毎回のように使うと、相手に前を意識されてしまい、逆に深いボールも効きにくくなります。
特にジュニアでは、ドロップが少し決まると、そればかりを練習したり、試合でも何度も使ったりしたくなることがあります。しかし、ドロップばかりに頼ると、深く打つ力、ラリーを続ける力、相手を押し込む力が育ちにくくなります。練習の中心は、あくまでストローク、サーブ、リターン、フットワークに置くべきです。

ジュニアがやりがちな失敗

ジュニアがドロップ系のショットを練習するときに多い失敗は、ボールが高く浮くことです。ネットを越えさせようとしてラケット面を上に向けすぎると、ふわっとしたボールになります。これでは相手に追いつかれやすく、前で強く打たれてしまいます。
次に多いのは、ネットミスです。短く落とそうとしすぎて、ボールがネットを越えません。特に試合中は緊張もあるため、練習では入っていたボールがネットにかかることもあります。最初はギリギリを狙いすぎず、ネットの少し上を通して、確実に入れる感覚を作ることが大切です。
もう一つは、相手に読まれることです。ドロップを打つ前だけ急に構えが小さくなったり、ラケット面が早く開いたりすると、相手はすぐに前へ動き出します。良いドロップは、打つ直前まで普通のショットに見えることが大切です。また、手首を使いすぎる失敗も多いです。ドロップショットでは手首でこねるのではなく、面を作って送り出す。ドロップボレーでは手元で力を抜き、衝撃を吸収する。この違いを理解しておくと、ミスを減らしやすくなります。

失敗原因修正ポイント
ネットにかかる短く落とそうとしすぎるまずは少し余裕を持ってネットを越す
高く浮く面が上を向きすぎる面を開きすぎず、低い弾道を意識する
長くなるボールを押しすぎるインパクトで勢いを吸収する
バウンド後に伸びる回転が少ない下回転気味にして跳ねにくくする
相手に読まれる構えやグリップ変更が早く見える普通のショットと同じ準備をする
手首でこねる面がぶれる面を作って送り出す
追いつかれる相手が前にいる場面で使う相手の位置を見てから選択する
ドロップばかりになる決まった成功体験に頼りすぎる深いボールとセットで使う

ドロップを打たれたときの対策

相手にドロップボレーやドロップショットを打たれたとき、一番大切なのは反応の一歩目です。打たれてから止まって見てしまうと、ほとんど間に合いません。相手のラケット面が開いた、スイングが小さくなった、打球音が弱い、体の動きが止まった。このような変化を感じたら、すぐに前へ動き出す必要があります。
ただし、毎回前に突っ込みすぎるのも危険です。上手い選手は、こちらが前を警戒した瞬間に深く打ってきます。だからこそ、相手をよく見ることが大切です。本当にラケット面が開いたのか、体勢に余裕があるのか、こちらの位置を見て打とうとしているのかを観察します。
追いついたあとも重要です。ドロップに追いついたからといって、無理に強打する必要はありません。低い位置でギリギリ追いついた場合は、深く返す、相手のいない方向へ流す、または逆にこちらも短く返すなど、状況に応じた判断が必要です。

対策内容
相手の面を見るラケット面が開いたら短いボールを警戒する
相手の体勢を見る余裕があるときほどドロップの可能性がある
一歩目を早くする打たれてから迷わず前へ出る
斜め前に走るボールに最短距離で入る
追いついたら慌てない強打よりもコースと深さを優先する
次のボールを予測する相手が前に詰めてくるか、後ろで待つかを見る

ドロップを打たせない工夫

相手がドロップ系のショットを得意としている場合は、打たれてから追うだけでなく、打たせない工夫も大切です。まず、浅いボールを相手に渡しすぎないことです。相手がコートの中に入って、余裕を持ってボールを触れる状態になると、ドロップを打ちやすくなります。こちらの返球が浅くなると、相手は強打もドロップも選べるため、守る側はかなり苦しくなります。
次に、相手に毎回同じリズムで打たせないことです。ゆっくりしたボールばかり送ると、相手は余裕を持って面を作れます。深いボール、速いボール、高いボール、低いボールを混ぜることで、相手のタイミングをずらすことができます。
また、自分のポジションも大切です。相手がドロップを打ちそうな場面では、ベースラインのかなり後ろに下がりすぎないようにします。もちろん深いボールに備える必要はありますが、相手が短いボールを多用するなら、少し前寄りで構えることも対策になります。

ドロップ系ショットの練習方法

ドロップボレーやドロップショットは感覚のショットなので、いきなり試合で使うより、段階的に練習した方がよいです。最初は、ネット近くからドロップボレーの感覚を作ります。サービスラインより前に立ち、相手のゆっくりしたボールをノーバウンドで受けて、ネット際に短く落とします。この段階では、強い回転をかける必要はありません。まずはラケット面を安定させ、ボールの勢いをやわらかく吸収する感覚を身につけます。高いボールではなく、腰から胸くらいまでのボールで練習した方が、衝撃吸収の感覚をつかみやすいです。
次に、サービスライン付近からドロップショットを練習します。ワンバウンドしたボールを、相手コートのネット寄りへ落とします。ここでも最初からギリギリを狙いすぎず、まずはネットを越えることを優先します。慣れてきたら、低い弾道、下回転、ネット寄りへのコントロールを少しずつ加えていきます。
さらに実戦に近づけるなら、深いクロスを2本打ってから、3本目でドロップショットを打つ練習が効果的です。相手を後ろに下げてから短く落とす流れを、練習の中で作っておくと、試合でも使いやすくなります。このとき、ドロップショットを打ったらその場で止まらず、前へ出るところまでセットにします。短く落として終わりではなく、次の返球を前で処理して追い込むところまでが実戦の形です。
リターンでのドロップを練習する場合は、最初から速いファーストサーブで行う必要はありません。まずはゆっくりしたセカンドサーブ程度のボールに対して、ネット際へ短く落とす練習をします。慣れてきたら、相手の位置を見て打つ練習にします。相手が後ろに残っているときだけ狙い、前に入りそうなときは通常のリターンにする。この判断まで含めて練習すると、試合で使える技術になります。
ただし、ドロップばかりの練習はおすすめしません。タッチの練習としては大切ですが、ドロップだけを多く練習しすぎると、深いボールを打つ力や、ラリーで押し込む力が後回しになりやすいです。練習では、深いストローク、サーブ、リターン、フットワークを中心にしながら、その中にドロップボレーやドロップショットを組み込む形がよいです。

練習内容目的
近距離ドロップボレーネット前でノーバウンドのボールを短く落とす衝撃吸収の感覚を作る
低い弾道ドロップボレー普通のボレーと同じ入り方から低く落とす相手に読まれにくくする
サービスラインドロップワンバウンド後のボールを短く落とす距離感を覚える
グリップチェンジ練習テイクバックの中で自然に面を作るドロップをばれにくくする
回転ドロップ下回転をかけてバウンド後に伸びにくくする跳ねないボールを覚える
深い球からドロップ深いボールの後に短く打つ試合で使う流れを作る
ドロップ後の前進打った後に前へ出て次を処理する追い込み方を覚える
リターンドロップセカンドサーブに対して短く返すサーブに対する選択肢を増やす
ドロップへの反応相手の短いボールに前へ走る一歩目を速くする

何を優先するか

ジュニアがドロップボレーやドロップショットを覚える場合、最初から決め球として使おうとしすぎない方がよいです。第一段階は、ネットを越えてサービスボックスの前方に落とせることです。第二段階は、ボールを浮かせすぎず、相手に強打されにくい高さで打てることです。第三段階は、下回転でバウンド後に跳ねにくくすることです。第四段階は、普通のショットと同じ構えから打てることです。最後に、相手の位置を見て、使うか使わないかを判断できるようになることが目標です。

特に小学生の場合、ドロップばかりに頼ると、ラリー力が育ちにくくなることもあります。まずは深く安定して打てるストロークを作り、その上で相手を前後に動かす選択肢としてドロップを持つ、という順番がよいと思います。

スクールやチームによってはあまり力を入れないこともあります。ミスなく、確実なストロークをひたすら極める方針の場合、ドロップショットを多用すると怒られてしまう事も。ただ、今の主流は、ドロップ系の技術向上は無視できなくなっているのが実情かと思われます。3セットマッチのうち、1回か2回ドロップショットを試みて、こんなのもあるんだぞ、と思わせることで相手への脅威、牽制に繋がります。

ドロップ系のショットは、強い選手ほど使いどころが上手です。単に短く打つのではなく、相手を後ろに下げ、相手の足を止め、相手が予測していないタイミングで使います。そして、打った後に前へ出て、次のボールで追い込むところまで考えています。ジュニアでもこの考え方を覚えると、試合の組み立てがかなり広がります。

まとめ

ドロップボレーとドロップショットは、どちらも相手コートのネット際に短く落とすショットです。ドロップボレーは、ネット付近でノーバウンドのボールを短く落とすボレーです。基本は衝撃吸収で、手元で力を抜き、相手のボールの勢いをラケット面で受け止めて、低い弾道でネット際に落とします。ただし、高いボールで無理にドロップボレーを狙う必要はありません。高いボールは、基本的には深いボレーや決めボレーで攻める方が自然です。

ドロップショットは、ワンバウンドしたボールを短く落とすショットです。深いボールや強いボールを警戒させたうえで使うと、相手を前に走らせることができます。フォアハンドで打つ場合は、テイクバックの中でウエスタン寄りからイースタン寄りへ自然にグリップを調整し、最後まで普通のストロークに見せることが大切です。インパクトでは手首をこねず、面を作って送り出すだけの感覚で、低くネットを越してネット寄りへ落とします。

どちらにも共通して大切なのは、相手をよく見ることです。相手が後ろにいるのか、足が止まっているのか、強打を警戒しているのかを見てから使うことで、成功率は上がります。そして、ぎりぎりまで普通のショットに見せることも重要です。最初からドロップだと分かる構えをしてしまうと、相手に前へ詰められてしまいます。

また、下回転を使ってバウンド後に跳ねにくくできると、相手は追いついても攻撃しにくくなります。ただし、最初から回転をかけすぎようとせず、まずは短く落とす感覚を作ることが大切です。ドロップショットを打った後は、前へ出て次のボールを処理する意識も必要です。短く落として終わりではなく、相手を前に走らせ、浮いた返球や苦しい返球を前で追い込むところまでが実戦的な使い方です。

一方で、ドロップばかりの練習や、試合での多用はおすすめできません。ドロップボレーやドロップショットは、深いボールや強いボールがあるからこそ効くショットです。ジュニアにとっては、ラリー力の代わりに使うものではなく、ラリー力やネットプレーを生かすための追加武器です。

まずは深く安定したストロークを作る。その上で、相手をよく見て、ぎりぎりまで欺き、低い弾道と回転で跳ねにくいボールをネット際に落とす。この考え方で練習していくと、ドロップボレーとドロップショットは、ジュニアの試合でも大きな武器になります。

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