本日は26インチのジュニアラケットのご紹介です。
一般ジュニアクラスと選手クラスで26インチのタイミングも異なりますので、その点も踏まえつつ、間違いないラケットをご紹介します。
25インチから買い替えのタイミング
25インチラケットから、いつ26インチに替えるべきか。
これは単純に年齢だけで判断するものではなく、身長、体格など物理的なフィジカル面と、自らが置かれている環境面(選手クラス、レベル)に基づいて判断すべきです。
一般的には 135cm〜145cm前後が、26インチに移行する一つの基準とされています。
ラケットを立ててグリップを地面に置いたときに「ラケットの先端が手首付近にくるかどうか」で測るのもわかりやすい方法です。25インチでは短く感じ、スイングが窮屈になり始めたら替え時と考えられます。
この年齢は、小学3〜4年生から高学年(9〜11歳) が一つの目安となります。ただし、同じ学年でも体格差は大きく、140cmを超える子であれば早めに26インチへ、130cm前半であればもう少し25インチを継続しても良いケースがあります。ボールでは、グリーンボールが一つの目安(25~27)となります。
選手クラスになると、小学2~3年生でグリーンボール、25~26インチが多い印象です。
成長が早いので、ボールの移行とともに、ラケットも26になるタイミングは比較的早くなります。
25インチだとラケットが短い分、取り回しは楽ですがリーチ不足で不利に感じる場面が増えます。守備範囲を広げたい、リターンやボレーで届かせたい 場合、またすでにパワーがあり、フルスイングで打ち込みたい 場合も26インチへ移行を検討すると良いでしょう。同世代で力負けしにくくなります。
26インチまでジュニアラケット扱い。安価で色々試したい
一般的に、26インチまではジュニアラケットのカテゴリ。次のステップの27からは大人と同じ規格です。
これまでは数千円から1万円台で購入可能でしたが、27からはラケットの金額は2万円~3万円台と2倍以上となります。
27インチは標準規格で競技用の主力 で、 R&D・素材・プロ宣伝コストを含み高価格帯です。対して26インチはジュニア向けで 素材や技術を簡略化、宣伝費、普及価格も抑え、市場普及も含め低価格です。中身の品質に差があるものの、26インチの間は比較的気軽に色々試すことができます。
色々試して、是非ご自身に合ったラケットを探してください。
バボラ(Babolat)
ジュニアでも「バボラ=大会でよく見る定番」という印象は強いまま。Pure Drive 26 / Pure Aero 26 / Pure Strike 26 の三本柱は27インチの設計思想をそのまま縮尺化しており、移行後のスタイルをイメージしやすいのが強みです。
- Pure Drive 26:いわゆる“黄金スペック”のジュニア版。反発・弾きが出やすく、スイングがまだ細い時期でもボールを前へ運べるのが最大の恩恵。フォア主体で展開したいジュニアに噛み合いが良い。
- Pure Aero 26:フレーム形状とグロメット設計で回転の乗せやすさを前面に出したモデル。トップスピンで高い弾道を作り、相手を後ろへ下げられる。エッグボールを志向する子や、ムーンボールからの切替期にも扱いやすい。
- Pure Strike 26:直線的な軌道をコントロールしやすいフラット〜ドライブ寄り。打点が前で作れて、面を真っ直ぐ当てられるタイプに向く。ディフェンス偏重から攻守の切替を覚える段階にちょうど良い。

ヨネックス(YONEX)
Isometricヘッドと振動吸収設計で、打点の許容と手首・肘のケアを両立しやすいのが国産ブランドの強み。EZONE 26 / VCORE 26 が二枚看板で、扱いやすさとスピンの選択肢をシンプルに提示します。
- EZONE 26:中厚フレームのバランス型。面の安定が高く、ボレーやリターンでも当て負けしづらい。男女問わず「まずは一本」で勧めやすい。
- VCORE 26:スピン強化を前提にした設計。振り抜きとボールの引っかかりが良く、ラリーの軌道変化で主導権を握りたいタイプに合う。EZONEと打ち比べると、弾道の差が分かりやすいのも利点。

ウィルソン(Wilson)
露出はUltraが中心。Clash / Pro Staff / Blade など成人向けでお馴染みの系統にも26インチが用意され、子どもにも**「将来像を持たせた選択」**をしやすい構成です。
- Ultra 26:反発×操作性で点が取りやすい。深く押し込みたい、ライジングを覚えたいジュニアに噛み合う。
- Clash 26:しなり感が強めで柔らかい打球感。フォーム作りの時期に「無理なく軌道を作る」助けになるが、合う・合わないがはっきり出るので試打推奨。
- Pro Staff 26 / Blade 26:コントロール志向。面の向きを丁寧に作れる子、タッチや配球を磨きたいタイプに。

プリンス(Prince)
O3ポートによる空気抵抗の低減とスイートスポット拡張が、26インチでもメリットを生む。Beast 26 / Beast O3 26 / Tour 26 / Warrior 26 と選択肢が多く、**「軽く振っても面ブレしづらい」**安心感で親御さんからの支持も厚い。
- Beast 26:オールラウンド型。当て感のやさしさと軌道の作りやすさが両立。ディズニーバージョンも。
- Beast O3 26:O3ならではのスイート広さでヒット率を上げたい子に。守備→攻撃の切替がスムーズ。
- Tour / Warrior 26:より球質の密度を求めたい子に。攻撃時の面安定が分かりやすく、ストロークのベースを固めやすい。

ヘッド(HEAD)
大人向けで人気の系統をそのままジュニアに落とし込むのが上手い。Speed Jr. 26 / Radical Jr. 26 / Instinct Jr. 26 / Boom Jr. 26 は、基礎の作りやすさとシリーズごとの個性を無理なく両立します。
- Speed Jr. 26:癖のないコントロール×安定。面の向き・厚み・打点の前後など、基礎を反復する時期に最適。
- Radical Jr. 26:適度な弾きと面安定を備えたオールラウンド。スライス・ドロップ・ネットプレーまで、手数の多さを学ばせやすい。
- Instinct Jr. 26:ややパワー寄りの味付け。スイングが細くても前へ押し込みやすい。
- Boom Jr. 26:現代的な設計で打ち出しの素直さが魅力。フォーム移行期のストレスを減らしたい子に。

ミズノ(Mizuno)
国内ブランドの安心感と、取り回しの良さで静かな人気。BOOSTER 26 Jr. は、**“まずはラリーの安定”**を最優先にしたい家庭にフィット。フレームのイヤな硬さが出にくく、習得期の反復練習で疲労が溜まりにくい印象。
テクニファイバー(Tecnifibre)
打感のクリアさに定評。T-Fight 26 ISOFLEX は大人の競技系に通じる手応えで、中学での本格移行を見据える子に向く。Tempo 26 は取り回しのしやすい設計で、テンポ良くスイング → 安定した弾道を作りたいタイプに合う。
ダンロップ(Dunlop)
CX(コントロール)/ FX(パワー)/ SX(スピン) の世界観が分かりやすく、CX 200 Jr. 26 / FX 500 Jr. 26 / SX 300 Jr. 26 の三択で方向性を決めやすい。
- CX 200 Jr. 26:面の収束が良く、コース精度を磨きやすい。
- FX 500 Jr. 26:飛びの良さでストロークを厚く。守勢から中立へ戻す一球が入る。
- SX 300 Jr. 26:スピン耐性が高く、軌道で差を作りたい子に。
比較表
名称 | 長さ | フェイス | 重さ(フレーム) | バランス(フレーム) | ストリングパターン | ビーム厚 | 特徴(要約) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Babolat Pure Drive Junior 26 | 26 in | 100 in² | 250 g | 325 mm | 16×19 | 23/26/23 mm | パワー寄り。FSI Powerや楕円断面で飛びを確保。 |
Babolat Pure Aero JR 26 | 26 in | 100 in² | 250 g | 325 mm | 16×19 | 23/26/23 mm | スピン志向。エアロ形状とスピングロメット。 |
Babolat Pure Strike Junior 26 | 26 in | 100 in² | 250 g | 320 mm | 16×19 | 21/23/21 mm | コントロール寄り。タイト目のパターンと剛性設計。 |
YONEX EZONE JUNIOR 26(EZJ26G) | 26 in | 100 in² | 240 g | 320 mm | 16×18 | 23/23/24 mm | 反発と許容のバランス。軽量で扱いやすい。 |
YONEX VCORE 26(07VC26G) | 26 in | 100 in² | 250 g | — | 16×18 | 26/26/22.5 mm | スピン志向。グラファイト+VDMで振動低減。 |
Wilson ULTRA 26 v4.0(WR116510S) | 26 in | 100 in² | 245 g | 320 mm | 16×19 | 23/26.5/22.5 mm | “黄金スペック”系の飛びと面安定性を軽量化で継承。 |
Wilson PRO STAFF 26 v14 | 26 in | 100 in² | 240 g | 320 mm | 16×18 | 23/23/23 mm | 操作性の高い伝統派打感。精度重視の選手向け。 |
Wilson CLASH 26(V2 限定Minions) | 26 in | 100 in² | 245 g | 315 mm | 16×19 | 24/24/24 mm | 柔らかい“しなり”系の代表格。肘肩に優しい。 |
Prince BEAST 26 | 26 in | 100 in² | 240 g | — | 16×19 | — | 扱いやすいバランス型。定番のジュニア向け。 |
HEAD BOOM JR 26(234922) | 26 in | — | 245 g | 320 mm | 16×19 | — | 軽量&寛容。反発感と打ちやすさ重視の設計。 |
HEAD SPEED JR 26(234002) | 26 in | — | — | — | — | — | “SPEED”系の操作性重視。 |
26インチの位置づけと選び方(27インチとの橋渡し)
- 長さは26インチ=約66.0cm。 ジュニア規格の最終ステップにあたり、身長・筋力・フォーム安定が揃うと27インチ(大人用ライト)へ移行する段階。
- 重さはおおむね“アンストリングで240〜260g台”が中心(モデル・年式により差)。「軽すぎて面が暴れる」「重すぎて振り遅れる」を避けるため、試合球・実際の張り上げ状態での試打が理想。
- スタイルで選ぶ指針
- 飛び・反発が欲しい:Babolat Pure Drive 26 / Prince Beast 26 / Wilson Ultra 26 / HEAD Instinct Jr. 26 / Dunlop FX 500 Jr. 26
- スピンを増やしたい:Babolat Pure Aero 26 / Yonex VCORE 26 / Dunlop SX 300 Jr. 26
- コントロール重視:Babolat Pure Strike 26 / Yonex EZONE 26(バランス型) / Wilson Blade/Pro Staff 26 / Dunlop CX 200 Jr. 26 / HEAD Speed Jr. 26, Radical Jr. 26
- 移行の目安:身長150cm前後、または26インチで“軽すぎる・押し負ける”感覚が出たら、27インチのライト(270–285g帯)を検討。移行直後は張りのテンションやストリングを柔らかめにして負担を最小化。
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