テニスでは、高校生以下の選手をまとめて「ジュニア」と呼びます。
同じジュニアテニスでも、週1回のスクールで楽しく通う子と、公認大会などに出て選手クラスで本格的に取り組む子では、必要な費用が大きく変わります。このため、テニスを知らない方が断片的な情報だけを聞くと、誤解しやすい所です。
幼児や小学生の初心者であれば、一般的な習い事と同じ費用感で始め、継続できます。ラケット、シューズ、バッグなどをプレゼントしているスクールも多く、最初のハードルは意外と高くありません。
一方で、外部試合に出るようになり、選手クラスに所属し、公認大会を回るようになると、スクール費用、試合参加費、交通費、ガット張替、シューズ、ラケット、合宿、遠征などが一気に増えていきます。
さらに中学生・高校生になると、進路に幅が出てきます。体格や打球の強さが変わり、小学生の選手の延長として活動する子もいれば、海外遠征に軸足を移す子、部活動に邁進する子など、費用面でも新しい論点が出てきます。
今回、幼児から小学生、中学生、高校生までを対象に、ジュニアテニスにどのくらい費用がかかるのかを整理します。
ジュニアテニスの費用は「楽しむ段階」と「選手段階」で大きく変わる
ジュニアテニスの費用は、次の4つのステップと、別枠で部活と考えると分かりやすいです。
| 段階 | 費用感 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初心者・エンジョイ | 月1万円前後 | 週1回スクール中心。初期投資も比較的少ない |
| 外部試合に参加 | 月2万〜3万円以上 | 試合参加費、交通費、ウェア、ラケット複数本が必要になる |
| 選手クラス所属 | 月10万円前後平均 | 練習回数、公認大会、ガット張替、遠征費が増える |
| 本格競技・上位層 | 年間200万円以上も散見 | 全国大会、合宿、帯同、海外遠征次第で大きく増える |
中学生以降は、学校の部活動が別枠であります。
部活動は、学校により差はあれど、部活動自体の練習費用は安く抑えられます。
「お金がかかる」と「安く始められる」が両方正しい理由
ジュニアテニスについては、「意外と安く始められる」という話と、「かなりお金がかかる」という話の両方があります。
これは、どちらかが間違っているわけではありません。
週1回のスクールで楽しむ段階なら、費用は比較的抑えられます。世間一般のスポーツ習い事とほぼ同じと冒頭で話しましたが、特に、小学生までのジュニアラケットは大人用より安いものも多く、初心者向けキャンペーンを使えば初期費用をかなり抑えられることもあります。
スポーツウェアは試合でなければ特に制約されません。ガットもこだわりなければ頻繁な張替は不要です。
よって、実際にかかる経費はスクール月謝と、成長に応じてシューズとラケット(ともに1万円以下)を買い替える程度でしょう。
【26インチ】人気のジュニアテニスラケット比較:U12小学生・2026年最新 | テニジュ
一方で、選手クラスに入りると、費用感は全く変わります。
まずスクール費用が跳ね上がります。通常スクールの×3~×5のイメージ。
更に試合、遠征、ガット、シューズ、プライベートレッスン、合宿、帯同などが重なり、家計への負担は大きくなります。これでざっと10倍近くのイメージと言っても過言ではありません。
つまり、ジュニアテニスの費用は「テニスを始める費用」ではなく、「どの段階まで競技として取り組むか」で見た方が実態に近いです。
ではそれぞれの成長フェイズで具体的な内訳をモデルケースを用いて、詳しく見ていきます。
幼児〜小学生の初心者は、比較的始めやすい
幼児から小学生の初心者が、通常のジュニアテニスクラスに週1回通う場合、費用は比較的抑えやすいです。
費用の中心はスクール代です。その他に、ラケット、シューズ、ウェア、バッグなどが必要になりますが、初心者向けの入会キャンペーンで、ラケット・シューズ・バッグのいずれかがプレゼントされるケースも多くあります。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| スクール費用 | 8,000円〜14,000円/月 | スクールや地域により異なる。都心部はやや高め。全般的に値上がり傾向 |
| ジュニアラケット | 5,000円〜15,000円 | 無料プレゼントしているスクールも多い |
| ウェア | 一式5,000円〜20,000円 | 初心者クラスでは自由なスクールが多い |
| バッグ | 4,000円〜 | 無料プレゼントしているスクールもある |
| シューズ | 5,000円〜10,000円 | 無料プレゼントしているスクールもある |
| 合計目安 | 初期投資3万円前後、その後はスクール費用中心 | 成長に伴い、ラケット・シューズ・ウェアは買い替えが必要 |
初心者は費用負担軽く、始めやすい設計
多くのテニススクールでは、初心者が始めやすいように、入会金無料、初月半額、ラケットプレゼント、シューズプレゼント、バッグプレゼントなどのキャンペーンを行っています。
これらは、これからテニスを始める子どもにとってかなり大きなメリットです。
テニスはラケットスポーツなので、最初に用具が必要になります。ただ、小学生までのジュニアラケットは大人用に比べると安価なものも多く、外部試合に出て勝ち進むことを目的にしない限り、費用を抑えて始めることができます。
ウェアについても、初心者クラスでは専用のテニスウェアを強制されないことが多く、一般的なスポーツウェアで十分です。
幼児期は続けやすい環境重視で選びたい
幼児期は、ラケットやウェアに高額なものを揃えるよりも、まずは楽しく続けられる環境を作ることが大切です。
幼児向けでは、レッドボールやスポンジボールを使い、短いラケットで遊びながらテニスに慣れていきます。この段階では、ラケットも19インチ、21インチ、23インチなど、身長や年齢に合わせた短いものを選びます。
成長に伴ってラケットは買い替えが必要になりますが、最初から高額なラケットを用意する必要はありません。
特に幼児期は、テニスを好きになること、体を動かすこと、ボールを追いかけること、ラケットに当たる楽しさを感じることが大切です。費用をかけすぎるよりも、親子で無理なく続けられる範囲にする方が長続きしやすいです。
外部試合に出始めると費用が増加
ある程度テニスに慣れてくると、外部の試合に出ることができます。
外部試合には、レッドボール・オレンジボール・グリーンボールの初心者向け大会から、公認大会まで様々な種類があります。
試合に出るようになると、スクール費用だけでは済まなくなります。エントリー費、交通費、ウェア、シューズ、ラケットの本数、ガット張替などが必要になってきます。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| スクール費用 | 8,000円〜/月 | 回数を増やすと比例して増加。都心部はやや高め |
| ジュニアラケット | 5,000円〜15,000円×本数 | ガット切れや予備に備え、通常2本あると安心。概ねグリーンボール以上 |
| ウェア | 一式5,000円〜20,000円 | 試合ではテニスウェアを着用するため、一式準備が必要 |
| バッグ | 4,000円〜 | 大きな試合以外は一般ジュニアと同様 |
| シューズ | 5,000円〜10,000円 | できればハードコート用とオムニ・クレー用を分けたい |
| 外部試合参加費 | エントリー費約7,000円+交通費 | 近隣なら負担は少ないが、他県になると交通費が増える |
| 合計目安 | 月2万〜3万円以上 | スクール週2回、月2回外部試合なら月3万円を超えやすい |
試合に出ると、練習回数も増やしたくなる
外部試合に出ると、子ども自身も「勝ちたい」と思うようになります。
そうなると、週1回のスクールでは物足りなくなり、週2回、週3回と練習回数を増やしたくなります。練習回数が増えれば、当然スクール費用も増えます。
また、試合に出るためにはウェア、シューズ、ラケット、バッグなども少しずつ揃える必要があります。特にグリーンボール以上になると、ラケットのガットが切れる可能性も出てくるため、予備ラケットがあると安心です。
試合参加費は1大会あたり7,000円前後が目安です。近場ならエントリー費だけで済みますが、他県の大会に出る場合は、電車代、ガソリン代、高速代、駐車場代、食費なども加わります。
この段階から、テニスは「スクール代だけの習い事」ではなくなっていきます。
小学生の選手クラスは月10万円前後が一つの目安(アンケート結果中間値)
強くなりたい、もっと練習したい、公認大会で勝ちたいとなると、次のステージとして選手クラスが視野に入ります。
選手クラスになると、費用は一気に上がります。
スクール費用が高くなり、練習回数が増え、試合参加も増え、ガット張替も頻繁になります。ここまで来ると、まず月額10万円前後を一つの目安として考えてよいでしょう。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| スクール費用 | 40,000円〜/月 | スクールにより差が大きい。毎日通うと5万円前後が目立つ |
| 26インチラケット | 5,000円〜15,000円×2〜3本 | ガット切れに備えて複数本必要 |
| 27インチラケット | 20,000円〜30,000円×3本 | 体格が大きくなり、通常ラケットに移行すると費用が上がる |
| ガット+張替 | 月1万円程度 | 2週間に一度張替の想定。強くなるほど頻度が増える |
| ウェア | 2万円×数着 | 試合数が増えるため、数種類準備が必要。おさがりをもらえることもある |
| バッグ | 10,000円〜 | 強くなると賞品でいただく機会もある |
| シューズ | 10,000円〜 | ハード用、オムニ・クレー用で使い分け。足の成長と摩耗で買い替えが必要 |
| 公認大会 | 約7,000円×回数+交通費 | 年間30~40試合、月3回程度参加する選手が多い |
| その他 | 合宿、帯同、海外遠征、プライベート | 環境によって大きく変わる |
| 合計目安 | 月10万円前後、年間120万円〜 | 合宿・遠征・帯同が加わると年間200万円程度も普通 |
選手クラスは固定費と変動費の両方が大きい
選手クラスの費用で大きいのは、スクール費用だけではありません。
公認大会に出るようになると、土日の多くが試合になります。1大会あたりのエントリー費が約7,000円、そこに交通費や食費が加わります。遠方の大会であれば、往復交通費と食費だけで1万円程度かかることもあります。
たとえば、7,000円の大会に月3回出て、1回あたり交通費・食費で1万円かかると、それだけで月5万円程度になります。
さらに、強くなるほどガットの張替頻度が増えます。ナイロンガットは強くなるに従い数日〜2週間で切れることがあり、ポリエステルガットも劣化を考えると2〜3週間程度で交換が目安になります。
ガット張替を自分で行う家庭もありますが、通常は張替工賃も含めて費用がかかります。
合宿・帯同・海外遠征で費用はさらに増える
選手クラスの基本費用に加えて、合宿、コーチ帯同、海外遠征、プライベートレッスンなどが入ると、費用はさらに増えます。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 合宿 | 5万円〜×回数 | 期間や場所により変動 |
| 帯同 | 30,000円×5日×年5回で年間75万円 | 諸費用込みで3万円/日程度を参加者数で割るケースもある |
| 海外遠征 | 50万円〜 | 場所、期間、帯同、為替により大きく変わる |
| プライベートレッスン | 1万円前後/時間 | 頻度によって年間費用が大きく変わる |
海外遠征は「自費」か「派遣・支援」かで負担が大きく変わる
ジュニアテニスで費用が大きく増える代表例が海外遠征です。
海外遠征は、航空券、宿泊費、現地交通費、食費、大会参加費、帯同費、保険、現地での練習費などがかかります。為替や渡航先、期間にもよりますが、1回の遠征で数十万円かかることもあります。
ただし、海外遠征はすべてが完全自費とは限りません。
強い選手や将来性のある選手は、選抜プログラム、派遣事業、スポンサー支援、所属先の補助などによって、海外遠征や国内外合宿の機会を得られる場合があります。
たとえば、富士薬品の「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」は、12歳から14歳までの3年間、海外遠征や国内合宿などの支援を通じて、世界を目指す女子ジュニア選手を後押しするプログラムです。毎年2回行われる海外遠征メンバーに加わるチャンスがあることも示されています。
また、安藤財団と日本テニス協会の「Global Challenge Jr. Tennis」では、47都道府県から11歳の男女各1名ずつを全国キャンプに招待し、国内キャンプ、海外派遣選考キャンプ、アメリカ派遣、イギリス・フランスへの特別派遣などの機会が設けられています。
| 海外遠征の形 | 家庭負担のイメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| 完全自費の海外遠征 | 大きい | 航空券、宿泊、帯同、現地費用を家庭で負担 |
| スクール主催の海外遠征 | 中〜大 | 団体遠征で安心感はあるが、費用は家庭負担が中心 |
| 選抜・派遣プログラム | 小〜中 | 一部費用が補助・支援される場合がある |
| スポンサー支援あり | 小〜中 | 企業・財団・所属先が遠征費や用品費を支援 |
| メーカー・強化指定 | 内容による | 用具支援、合宿、練習環境、遠征機会などの支援がある |
(2026年)富士薬品セイムスガールズカップ完全ガイド:会場アクセス・エントリー数推移・過去優勝者・選抜メンバー・ワールドチャレンジプログラム | テニジュ
安藤財団グローバルチャレンジJr.テニスとは?:対象と選抜方法 | テニジュ
同じ海外大会に出る場合でも、完全自費で行くのか、派遣や支援を受けて行くのかで、家庭の負担はまったく変わります。
特に全国上位クラスや将来性のある選手は、セイムス、安藤財団、メーカー、所属スクール、地域スポンサーなどの支援を受けられる可能性があります。支援を受けられる選手は、海外経験を積みやすくなり、さらに成長機会を得やすくなります。
一方で、支援を受けられない場合、海外遠征は大きな自己負担になります。海外大会に出れば強くなるという単純な話ではなく、費用対効果や本人の成長段階を見ながら判断する必要があります。
海外遠征は、ジュニア選手にとって大きな経験になります。ただし、家庭負担を考えると、「行けるかどうか」だけでなく、「自費で行くのか」「選抜・派遣で行くのか」「スポンサー支援があるのか」を分けて考えることが大切です。
最上位層の特権:支給や貸与で費用を抑えられることもある
強くなってくると、海外遠征の機会が出てきます。海外遠征は、航空券、宿泊費、現地交通費、食費、帯同費などがかかるため、それだけで大きな金額になります。
一方で、最上位選手になると、個別に契約を結び、ラケット、バッグ、ウェアなどの支給や貸与を受けられる場合があります。これにより、用具面の必要経費を抑えられることがあります。
また、最上位クラスになると、関東公認大会などでポイントを稼ぐために毎週出続ける必要が少なくなり、試合参加費の負担が減ることもあります。
ただし、その次には全国大会、国際大会、海外遠征、ITFジュニアといった別のステージがあります。費用負担がなくなるわけではなく、費用のかかり方が変わっていくと考えた方が現実的です。
ジュニアでもスポンサーやサポートを受ける選手が増えている
ジュニアテニスでは、費用がかかる一方で、近年はジュニア選手を支援する仕組みも少しずつ広がっています。
以前から、強いジュニア選手にはラケット、バッグ、ウェア、シューズなどの用具提供や割引購入のサポートがありました。最近はそれに加えて、ストリング、ガット張替、栄養補助食品、飲料、ケア用品、トレーニング関連、遠征費の一部支援など、支援の形も広がっています。
メーカーの具体例として、バボラは「Babolat Next Talent」を展開し、将来世界へチャレンジするスキルの高いジュニアを発掘し、製品サポートやフィッティングを行うプロジェクトと説明しています。
HEAD JAPAN TENNISの動画説明でも、TEAM HEADジュニア選手に対し、インドア練習コートの提供やラケット・ストリング調整などのオンコートサポートを行っていることが紹介されています。
| 支援の種類 | 内容 | 家庭への効果 |
|---|---|---|
| ラケット提供・割引 | ラケットの支給、貸与、割引購入 | ラケット複数本の負担を軽減 |
| ウェア・シューズ提供 | ウェア、シューズ、バッグなどの支給・割引 | 試合用具の負担を軽減 |
| ストリング・ガット張替 | ストリング提供、張替サポート | 強くなるほど増えるガット代を軽減 |
| 食料品・栄養補助 | 飲料、補食、プロテイン、ゼリーなど | 練習・試合時の補食費を軽減 |
| ケア用品・治療支援 | テーピング、ケア用品、整骨院・治療院の支援 | ケガ予防・体のケアを支援 |
| 遠征費支援 | 交通費、宿泊費、大会参加費の一部補助 | 遠方大会・全国大会・海外遠征の負担を軽減 |
| 練習環境の提供 | 練習コート、ヒッティング、トレーニング環境 | 練習機会を増やせる |
| 個人・地域スポンサー | 地元企業や応援者からの支援 | 家庭だけで負担しない仕組みになる |
スポンサーは「費用をゼロにするもの」ではない
スポンサーやサポートがあっても、家庭の負担が完全になくなるわけではありません。
ラケットを提供してもらっても、遠征費はかかります。ウェアを支給してもらっても、交通費や宿泊費はかかります。食品や栄養補助を支援してもらっても、スクール費や大会参加費は残ります。
つまり、スポンサーは「費用をゼロにするもの」ではなく、「費用の一部を軽くし、挑戦を続けやすくするもの」と考えるのが現実的です。
特にジュニアテニスでは、家庭、スクール、クラブ、メーカー、地域企業、個人スポンサーが少しずつ支えることで、選手が挑戦しやすくなります。
費用がかかる競技だからこそ、家庭だけで抱え込まず、支援を受ける選択肢を知っておくことも大切です。
宣伝協力によってスクール費用が抑えられるケースもある
ジュニア選手の支援は、メーカーや地域企業だけではありません。
スクールやクラブによっては、選手の実績、将来性、発信力を評価し、スクール費用や練習環境を一部優遇するケースもあります。
たとえば、大会結果をスクールの実績として紹介する、SNSでスクール名や練習環境を発信する、スクールのホームページや広告素材に協力する、イベントや体験会に参加する、といった形です。
この場合、現金でスポンサー料を受け取るというより、月謝、選手クラス費用、プライベートレッスン費、コート利用料、ヒッティング費用などが一部軽減される形になります。
| 支援の形 | 内容 |
|---|---|
| スクール費の割引 | 月謝や選手クラス費用を一部軽減 |
| プライベートレッスンの優遇 | レッスン料を割引、または追加練習を提供 |
| コート利用の優遇 | 空きコートや練習環境を使いやすくする |
| 広報協力 | 大会結果、練習風景、スクール名を発信 |
| 広告・モデル協力 | HP、SNS、チラシ、イベント告知に協力 |
| 特待・準特待 | 実績ある選手に対して費用面を優遇 |
宣伝協力によって費用を抑えられることは、家庭にとって大きな助けになります。
ジュニアテニスでは、毎月のスクール費用が大きな固定費になります。ここが少しでも抑えられると、試合参加費、遠征費、ガット張替、シューズ、トレーニングなどに費用を回しやすくなります。
ただし、宣伝協力を条件に支援を受ける場合は、注意も必要です。
子どもの顔や名前をどこまで出すのか。大会結果をどのように掲載するのか。SNS投稿の頻度や内容に無理がないか。他のスクールやメーカーとの関係に問題がないか。保護者とスクールの間で条件が明確になっているか。
こうした点は、事前に確認しておいた方が安心です。
特にジュニア選手の場合、支援を受けること自体は前向きなことですが、子どものプライバシーや生活への影響も考える必要があります。
実力のある選手はスクール費用が優遇されるケースもある
ジュニアテニスでは、実力のある選手がスクール費用を一部優遇されるケースもあります。
特に、全国大会、地域大会、公認大会で実績のある選手は、スクールにとっても大切な存在です。大会で結果を出すことは、スクールの育成力や選手クラスの実績として紹介しやすく、他のジュニア選手や保護者にとっても分かりやすい実績になります。
そのため、スクールやクラブによっては、強い選手に対して、選手クラスの月謝、練習費、コート利用料、プライベートレッスン費、ヒッティング費用などを一部優遇することがあります。
| 優遇される可能性がある費用 | 内容 |
|---|---|
| 選手クラス費用 | 月謝や強化クラス費用の一部割引 |
| 練習費 | 追加練習、朝練、夜練などの費用を軽減 |
| コート利用料 | 空きコートや自主練習での利用を優遇 |
| プライベートレッスン費 | コーチとの個別練習を割引・一部免除 |
| ヒッティング費用 | 練習相手や打ち込み環境を提供 |
| 遠征・合宿費 | 一部補助や参加費の優遇がある場合もある |
このような優遇は、必ずしも「スポンサー契約」として明確に表に出るものばかりではありません。
スクール内での特待制度、準特待制度、強化指定、育成枠、個別支援など、名称や形はさまざまです。中には、制度として公開されていなくても、実績や将来性を見て個別に相談されるケースもあります。
ただし、費用が優遇されるからといって、負担がすべてなくなるわけではありません。
ラケット、ガット、シューズ、ウェア、試合参加費、交通費、宿泊費、遠征費、トレーニング費などは引き続きかかります。スクール費用が軽くなることは大きな助けですが、ジュニアテニス全体の費用がゼロになるわけではありません。
また、実力による優遇には、結果への期待やスクールへの貢献も伴います。
大会結果を報告する。スクールの所属選手として大会に出る。必要に応じてスクールの実績として紹介される。練習態度や生活面でも他の選手の見本になる。
このような点も含めて、支援を受ける側には一定の責任があります。
一番お金がかかりやすい「ある程度上位」の層
ジュニアテニスの費用は、単純に「強いほど高い」とは限りません。
実際には、一番お金がかかりやすいのは、最上位層の一歩手前にいる「ある程度上位」の選手です。
この層は、練習量が多く、公認大会にも多く出場し、県外遠征や関東大会、全国大会を目指すレベルにあります。ラケット、ガット、シューズ、ウェア、トレーニング、合宿、プライベートレッスン、遠征費など、必要な費用はかなり大きくなります。
一方で、まだメーカー支援、財団支援、海外派遣、スクール特待、スポンサー支援などを十分に受けられるとは限りません。
つまり、費用は本格競技レベルまで上がっているのに、支援はまだ家庭負担が中心という状態になりやすいです。
この場合、家庭のバックアップがないと、活動が制約されることが多いでしょう。
| 選手層 | 費用負担の特徴 |
|---|---|
| 初心者・エンジョイ層 | スクール費用中心で、比較的抑えやすい |
| 外部試合に出始めた層 | 試合参加費、交通費、用具費が増え始める |
| ある程度上位の選手 | 練習量・試合数・遠征費が大きいが、支援はまだ少ない |
| 全国上位・最上位層 | 費用は大きいが、用具支援・特待・派遣・スポンサーの可能性が出てくる |
家計への負担という意味では、全国トップやメーカー支援を受けている選手よりも、その少し下で自費中心に頑張っている選手の方が厳しい場合があります。
特に、関東公認大会を毎週のように回る、遠方の大会に出る、合宿に参加する、プライベートレッスンを受ける、ガットを頻繁に張り替える、ラケットを複数本用意する、という段階になると、費用は一気に増えます。
この層は、親の送迎や付き添いの負担も大きくなります。時間的にも金銭的にも、家庭のサポート力が競技継続に影響しやすい段階です。
ジュニアテニスの費用構造は、初心者層は安く始められ、最上位層は支援を受けられる可能性がある一方で、その間の「本気で取り組むが、まだ支援を受けにくい層」に負担が集中しやすい構造です。
ジュニアテニスは家庭の経済力も影響しやすい
ジュニアテニスは、家庭の経済力が影響しやすい競技です。
もちろん、お金をかければ強くなるという単純な話ではありません。本人の努力、コーチとの相性、練習環境、身体能力、試合経験、メンタル、ケガの有無など、多くの要素があります。
ただし、本格的に取り組むほど、スクール費用、試合参加費、交通費、宿泊費、ラケット、ガット、シューズ、合宿、遠征、プライベートレッスンなどの費用がかかります。
そのため、選手クラスや公認大会で上位を目指す家庭には、比較的経済的に余裕のある家庭が多く見えやすいのも事実です。
これはテニスに限った話ではありません。
文部科学省の学校外活動費に関する資料でも、学校外活動費の支出と世帯収入には関連があり、世帯の経済状況が教育費にどのくらい支出できるかを左右し、教育機会が子ども本人の希望とは別の理由で不平等になる可能性があると整理されています。
また、笹川スポーツ財団の「中学生のスポーツ活動と保護者の関与に関する調査」でも、中学生のスポーツ機会には世帯年収による差が見られるとされています。調査では、スポーツクラブ加入率が世帯年収400万円未満で9%、1,000万円以上で21%とされ、家庭の支出費用も運動部とスポーツクラブで大きく異なることが示されています。
海外の調査でも同じ傾向があります。Aspen InstituteのProject Play調査では、米国のスポーツ家庭が2024年に子どもの主なスポーツに平均1,016ドルを支出し、2019年から46%増加したとされています。また、世帯所得10万ドル以上の家庭は、5万ドル未満の家庭より、子どもの主なスポーツに年間1,471ドル多く支出していると報告されています。
費用だけでなく、親の時間も大きな負担になる
ジュニアテニスで見落とされやすいのは、金銭的な費用だけではありません。
試合の送迎、早朝集合、遠方遠征、待ち時間、食事準備、ガット張替、エントリー管理、試合結果の確認、ランキング管理、スクールとの連絡など、親の時間負担も大きくなります。
特に小学生のうちは、自分だけで試合会場に行くことが難しいため、保護者の送迎や付き添いが必要になります。土日がほぼ試合で埋まる家庭もあります。
つまり、ジュニアテニスの費用は、単にお金だけではありません。
親が時間を使えるか。仕事の調整ができるか。車で遠征できるか。兄弟姉妹の予定と両立できるか。こうした家庭の状況も、競技継続に大きく影響します。
この意味でも、ジュニアテニスは家庭の総合的なサポート力が問われやすい競技です。
中学生になると費用のかかり方が変わる
中学生になると、ジュニアテニスの費用は小学生時代とは少し性格が変わります。
小学生では、スクール、外部試合、公認大会が中心です。中学生になると、体格が大きくなり、打球も強くなり、練習量も増えます。その結果、ラケット、ガット、シューズ、トレーニング、遠征費の負担が増えやすくなります。
| 中学生で増えやすい費用 | 内容 |
|---|---|
| 27インチラケット | 大人用ラケットに移行し、1本2万〜3万円台になりやすい |
| ラケット本数 | 試合やガット切れに備えて3本体制が現実的になる |
| ガット張替 | 打球が強くなり、切れる頻度・張り替える頻度が増える |
| シューズ | 足の成長と摩耗が重なり、買い替えが増える |
| トレーニング | フィジカル、体幹、ケアの重要性が高まる |
| 遠征費 | 関東、全国、ITFジュニアなど遠征範囲が広がる |
| 進路関連 | 部活、クラブ、通信制、テニス強豪校、海外留学など選択肢が分かれる |
中学生は「続け方」の分岐が増える
中学生になると、テニスの続け方に分岐が出てきます。
1つ目は、学校生活を大切にしながら、週数回スクールで続ける形です。この場合、費用は小学生の外部試合段階に近く、比較的抑えやすいです。
2つ目は、選手クラスで本格的に競技を続ける形です。この場合、小学生の選手クラスと同じく月10万円前後が一つの目安になり、遠征や合宿が増えると年間200万円程度になることもあります。
3つ目は、全国大会やITFジュニア、海外遠征まで視野に入れる形です。この場合、費用はさらに大きくなります。家庭だけで負担するのか、所属先の支援を受けるのか、スポンサーや奨学金を検討するのかという論点も出てきます。
中学生は、競技力だけでなく、進学、学業、生活リズム、体の成長、ケガ予防も重要になります。費用をかければ強くなるという単純な話ではなく、本人の成長段階に合った環境選びが大切です。
高校生は競技費用に加えて進路の費用も意識する
高校生になると、ジュニアテニスの費用はさらに進路と結びついてきます。
高校の部活で続けるのか、クラブチーム中心で続けるのか、テニス強豪校に進むのか、通信制やオンライン学習を組み合わせるのか、海外留学やアメリカ大学進学を視野に入れるのかによって、費用は大きく変わります。
| 高校生の進路・活動形態 | 費用の特徴 |
|---|---|
| 高校部活中心 | 学校活動が中心で、比較的費用を抑えやすい |
| スクール・クラブ併用 | スクール費、遠征費、試合参加費が継続してかかる |
| テニス強豪校 | 学校関連費、遠征費、合宿費が発生する |
| 通信制+テニス中心 | 学費と競技費用の両方が必要になる |
| ITFジュニア・海外遠征 | 航空券、宿泊、帯同、為替で大きく増える |
| 海外留学・米国大学進学 | 学費、寮費、渡航費、サポート費用まで検討が必要 |
「プロ・大学・競技継続」の現実を考える時期
高校生になると、プロを目指すのか、大学テニスに進むのか、競技を続けながら進学するのか、部活やスクールで楽しみながら続けるのかという判断がより現実的になります。
この段階では、費用の意味も変わります。
小学生の費用は、習い事や競技経験への投資です。中学生の費用は、本格競技への入口です。高校生の費用は、進路や将来の選択に直結しやすくなります。
特にプロや海外を目指す場合、遠征費、帯同費、トレーニング費、学習環境、進学準備まで含めて考える必要があります。
一方で、高校部活や学校生活を中心にテニスを続けるのであれば、費用を抑えながら長く競技を続けることもできます。
大切なのは、周囲と比べて無理に費用をかけることではなく、本人がどのレベルを目指し、家庭としてどの範囲まで支えられるのかを整理することです。
アンケート結果に基づく実際の月額費用感
実際のご家庭ではどのくらいかかっているのか、アンケート結果を整理します。
アンケートは、小学生の公認大会に出ているジュニア選手で、チームに所属しているご家庭を対象としたものです。
質問は次の通りです。
「小学生の公認大会に出ているジュニア選手(チームに所属)ご家庭に伺います。一か月にテニスにかける総費用(スクール・テニス用品・エントリー費・交通費)はいくらですか?」
下記は2026年4月27日までの統計です。時間をかけて投票いただいた結果であり、実際の費用感を見る上で貴重な参考データです。
| 月額費用 | 割合 | 票数 |
|---|---|---|
| 5万円未満 | 20.69% | 12票 |
| 5万円以上8万円未満 | 24.14% | 14票 |
| 8万円以上11万円未満 | 29.31% | 17票 |
| 11万円以上14万円未満 | 12.07% | 7票 |
| 14万円以上17万円未満 | 8.62% | 5票 |
| 17万円以上20万円未満 | 1.72% | 1票 |
| 20万円以上 | 3.45% | 2票 |
| 合計 | 100% | 58票 |
アンケートでは「8万円以上11万円未満」が最多
アンケート結果を見ると、最も多いのは「8万円以上11万円未満」で29.31%です。
次に多いのが「5万円以上8万円未満」の24.14%、その次が「5万円未満」の20.69%です。
つまり、小学生の公認大会に出ている選手クラスの家庭でも、すべてが月10万円を大きく超えているわけではありません。
一方で、11万円以上の層も一定数あります。14万円以上、17万円以上、20万円以上という層もあり、競技レベルや遠征頻度、プライベートレッスン、合宿、帯同の有無によって大きな差が出ていることが分かります。
小学生選手クラスは月10万円前後が一つの目安
アンケート結果から見ても、小学生の選手クラスの費用目安は、月10万円前後が一つの分かりやすい指標になります。
中央値に近い感覚としても、月額10万円弱という見方がしやすく、周囲の肌感とも一致します。
もちろん、月5万円未満で抑えている家庭もあります。逆に、20万円以上かかっている家庭もあります。
20万円以上の層は、海外遠征、自費での遠方大会、帯同、プライベートレッスン、合宿などが重なると出てくる金額帯です。
ただし、これは「これだけ資力がないとジュニアテニスはできない」という意味ではありません。頻繁に海外へ行くかどうか、どの大会に出るか、どのスクールに所属するか、プライベートをどの程度入れるかは、ご家庭で選択できる部分もあります。
中学生・高校生まで含めると費用の幅はさらに広がる
今回のアンケートは小学生を対象としたものです。
中学生・高校生まで含めると、費用の幅はさらに広がります。
中学生になると、本格的に競技を続ける選択肢が増える一方で、学校生活や部活を中心に費用を抑える道も出てきます。中学でバリバリやる選手は、練習量、遠征、ガット、シューズ、トレーニングで費用が増えます。一方で、安価な路線に分岐する選択肢もあります。
高校生になると、さらに進路との関係が強くなります。高校部活中心であれば比較的費用を抑えられる場合がありますが、クラブ中心、全国大会、ITFジュニア、海外遠征、通信制、海外留学などを選ぶと、費用は大きくなります。
一部の海外志向の選手は、周囲のサポートを得て海外へ転戦するケースもあります。この場合、費用は小学生の選手クラスとは別の段階に入ります。
費用を抑えながら続ける工夫
ジュニアテニスは、本気で取り組むほど費用がかかります。
ただし、すべてを新品・高額・最大回数で揃える必要はありません。続け方を工夫すれば、費用を抑えることもできます。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| スクールキャンペーンを活用する | 入会金無料、ラケット・シューズ・バッグプレゼントを利用する |
| ウェアは必要以上に増やさない | 初心者期は一般スポーツウェアで十分なことが多い |
| ラケットサイズを適切に選ぶ | 成長に合わない高額ラケットを早く買いすぎない |
| 試合数を調整する | 毎週出る前に、目的のある試合選びをする |
| 近場の大会を活用する | 交通費・宿泊費を抑えやすい |
| おさがりや賞品を活用する | ウェア、バッグ、ラケットケースなどは譲り受けられることもある |
| ガット張替の頻度を見極める | レベルやボールに応じて、必要な時期を判断する |
| プライベートレッスンを目的別に使う | 毎週ではなく、課題が明確な時に使う |
| 部活・スクール・クラブの役割を分ける | 中高生は進路や生活に合わせて組み合わせる |
| 支援制度やスポンサーを調べる | メーカー、財団、地域企業、スクール優遇を確認する |
ジュニアテニスでは、費用をかけるべきところと、急がなくてよいところがあります。
幼児や小学生初心者のうちは、高額なラケットや専用ウェアよりも、楽しく通えるスクール、無理のない頻度、体に合ったラケットが大切です。
外部試合に出るようになったら、シューズ、予備ラケット、試合用ウェア、交通費など、試合に必要なものを少しずつ揃えます。
選手クラスに入ったら、練習量、ガット、シューズ、遠征、体のケアが重要になります。
中学生・高校生では、費用をかける前に、本人の目標、進路、学業、体の成長、ケガのリスクを考える必要があります。
強くなるためにお金を使うことはあります。ただし、何に使うかを整理しないまま費用だけが増えると、家庭の負担も大きくなり、本人も苦しくなります。
まとめ:ジュニアテニスの費用は段階ごとに考える
ジュニアテニスは、始めるだけなら比較的取り組みやすい習い事です。
幼児や小学生初心者であれば、月1万円前後のスクール費用を中心に、初期投資3万円前後で始められるケースも多くあります。
一方で、外部試合に出るようになると、試合参加費、交通費、ウェア、シューズ、ラケット複数本が必要になります。小学生の選手クラスでは、月10万円前後が一つの目安です。
アンケート結果でも、小学生の公認大会に出ている選手クラスでは「8万円以上11万円未満」が最多で、月10万円前後という目安はかなり現実に近い数字です。
中学生になると、27インチラケット、ガット張替、シューズ、遠征、トレーニングなどの費用が増えます。高校生になると、部活、クラブ、強豪校、通信制、海外留学、ITFジュニアなど、進路によって費用の幅がさらに広がります。
さらに重要なのは、ジュニアテニスの費用は単純に「強くなるほど高い」わけではないという点です。
最上位層は、メーカー支援、財団支援、スクール優遇、スポンサー支援、海外派遣などを受けられる可能性があります。一方で、その一歩手前の「ある程度上位」の選手は、練習量も試合数も遠征も多いのに、支援はまだ少なく、自費負担が最も重くなりやすい層です。
ジュニアテニスには家庭の経済力や親の時間負担も影響します。これはテニスに限らず、子どものスポーツ全体に共通する課題です。第三者の調査でも、スポーツ機会や学校外活動費には世帯収入による差があることが示されています。
だからこそ、ジュニアテニスの費用は、「高い」「安い」で一言にまとめるよりも、どの段階で、どの目的で、どこまで取り組むのかによって考えるのが現実的です。
無理なく楽しく始めることもできますし、本気で取り組めば大きな投資が必要になることもあります。
大切なのは、子どもの年齢、目標、成長段階、家庭の負担、支援の可能性を整理しながら、長く続けられる形を選ぶことです。


コメント