小学2年生から4年生にかけて、グリーンボールで練習している選手は多いですが、その多くは早くイエローに上がりたいと思っているでしょう。
この理由として大きなものは、U12の全日本ジュニア、小学生大会、選抜を見据えて早く成長し、公認大会でポイントを稼いでおきたいこと、U10グリーンでは腕試しをする全国大会が限定的であったことが挙げられます。
しかし、かつてはグリーンボールで注目を集める全国大会は石黒杯、トーマス杯程度でしたが、ここ最近は2023年にビギナー向けのルネサンスカップ、2024年には関東ジュニアU10、2025年はHEROS TOURと、規模の大きな全国大会が近年急に増えました。
グリーンボールの全国大会・公式戦
近年、グリーンボールの全国大会が増えてきましたのでご紹介します。
名称 | 内容 |
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富士山プロジェクト(地域対抗戦) | 2024年から新設され、全日本ジュニアの代替大会として実施。3日に渡り、4人一組のチーム戦とチャンピオン講義を有明で行う。 |
関東ジュニア(他、地域別に実施) | 2024年から新設され、地方別に実施。代表は富士山プロジェクトの地方対抗戦にエントリーできる。 |
都道府県別ジュニア | 2025年からU12と同様、予選も実施。代表は関東ジュニアなど地方大会へエントリーできる。 |
石黒杯 | 日本全国で夏から秋にかけて予選を実施し、参加人数に応じて1名~3名が冬に実施される全国大会へ参加。 |
TOMAS CUP | JOP大会優勝者のみ参加可。毎年4月に実施され、U10はグリーンボール。優勝者はバボラ用品のサポートあり、レベル高い。 |
ルネサンスカップ | 2023年から秋に福島で毎年開催されているビギナー向け大会。JOPで開催されるビギナー大会で優勝する必要がある。 |
NEXT HERO | 2025年初開催。10歳以下に限定し、男女混合でグリーン最強を決める大会。予選も全国で行われ、規模が大きく要注目。 |
関東ジュニアはU10とU12の両立ができないため、実力者がU12を選択した場合、U10の優勝候補であるにもかかわらず、U10は参加権利がないということになります。この家庭は先を見据えているとも言えますが、プレイするのは親ではなく子供です。U10での入賞経験が自身の励みになり、よりモチベーションが高まることも期待できます。
この点、全日本ジュニアU12に出るような実力者のほとんどはU14カテゴリを選択しませんね。
これは、U12全日本の入賞に誰もが重きを置いているからに外ならず、関東ジュニアU10もまだ始まったばかりで伝統はないですが、年を重ねるごとにレベルが高くなると予想します。こちらは関東ジュニアのベスト4まで入ると、全国大会の代替大会として富士山プロジェクトに参加できます。つまり、U10で全日本ジュニアに相当する、日本を代表するポジションと評価されることになります。
これは、これまでU10グリーンでは存在しなかった全国大会の大きな栄誉であり、U10までグリーンであったとしても、イエローを打ったりグリーンを打ったり使い分ける必要がなくなります。
従前から石黒杯やトーマスカップでは普段イエローを打っている実力者がグリーンに下ってくることがありますが、やはり非効率です。そのグリーンのボール慣れと、イエローにカムバックした際の慣れに時間を割く時間は、普段のイエローの練習を大きく阻害するものです。
また、普段からイエローの練習をしていたらグリーンも強くなる、という法則はありません。
通常はグリーンから早期にイエローに移行し、早く先行してたくさん練習しているからこそ、上手い子の割合が多いだけです。グリーンにはグリーンの妙味があり、グリーンで熟練した領域に立つと、パワーショットだけでなく、緩急をつけた左右の使い分け(スローボールで届かない所に打つ)など、技も身についてきます。
更に、多少練習時間が増えても腕に優しく故障しにくいという本来のPLAY&STAYの趣旨に則ったメリットもあります。
このため、オレンジからグリーンボールに上がった後、その次のイエローに関しては焦らず、力試しとなる目標を定めて参加してもらえればと思います。グリーンボールU10に出れるということは、U12までまだ2回あります。このU10でトップクラスを維持できればポイント面でも余裕で間に合いますよ。
因みに、先にイエローで先行している実力者がグリーンボールの大会に参加する際、多くは練習はそこそこでやってきます。これは権利を取りたいとか、ついでで軽い気持ちとか、参加する理由は様々ですが、イエローの感覚を失うことを嫌います。このため、実力者がそのままグリーンでも強いかというとケースバイケースで、感覚を思い出しながら打っていく選手がほとんどです。
このため、一回戦で当たった場合はチャンスかもしれません。
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