公認大会に出始めた小学生の選手達の多くは、小学6年生の選抜、全日本ジュニア、小学生大会を目標に日々切磋琢磨しています。この過程では、実に様々なドラマがありますが、気になる要素の一つが練習時間です。
大きく影響する家庭方針
勝てないと、より強くなるために練習が足りないのではないか?と気になりがちです。
ですが、そう思って何か具体的な手を打つ判断を行うのは、多くは保護者です。
確かに小学生の間は、「打てば打つほど強くなる」とも言われ、ある程度はその通り。
効率よりも時間が勝るのもわかる気がします。週6で練習している選手はたくさんいますね。
週7選手も珍しくないですが、毎日打っていたら、そりゃ強くなります。
練習をしすぎた弊害として、実にジュニアの怪我が多く、肘、足の故障はよく見ました。
また、怪我以外でも、テニス偏重の生活になることで、学校へ行かずに練習したり、長期海外遠征に行ったりする子も珍しくありません。テニスの世界では業界全体でこれを当然のごとくで昔から続けており、既成事実と化しています。義務教育期間ですから、実際の善し悪しは、客観的に見て本来諸説あって良いところ。
テニスにかける人生とは、本来子供自身が自分で判断すべきことで、子供が正しい判断ができない年次で、後戻りしがたい所まで親が決めていいか、というと非常に判断が難しいところ。
特に、親がやらせたい一心で突き進み、一度しかない人生の大事なステージの過程で、取り返しのつかないケガをしたり、子供自身がテニスが嫌になって途中でテニスから離れてしまったら、、本当に大変です。
これで親がテニスをやめないように説得する絵は本当に辛い。
ジュニア選手は、確かにたくさん練習をすればするほど強くなります。しかし、中高生になると練習量だけでは勝てなくなり、当たり前に皆が毎日練習する中で、ここから真に強い選手が出てきます。
小学生の間は強い選手がそのまま走り切りがちですが、中高生、更にその先の順位は必ずしも一致しません。
この選択に正解はないわけですが、義務教育の責任に対する自覚は必要と言えそうです。
どの程度練習する?
色々な考え方がある中で、実際どの程度練習しているのか?
上述の通りある程度練習しないと勝てないのも事実で、テニスで結果を出す周囲の強者(関東大会以上)平均では週5日×3時間/日あたりは必要かなと。もっと言えば、必要かどうかというより、実際皆がこの程度以上やっている。
ここから更に質の充実も必要で、強者の多くは少人数の練習環境を確保しているか、プライベートを併用しています。ここは家庭の経済力が影響するところで、ネットゲームの課金のようにお金で環境を確保できてしまう局面も多い。
極論ですが、毎日1:1や1:2程度で練習できるなら必要な時間も変わってきます。
十分な練習時間を確保しようとすると、何かを犠牲にする必要があります。
この時間は自由時間や子供らしい余暇のほか、とりわけ勉強時間がまず懸念されますが、時にはテニスでも中受でも結果を出し、最難関校に合格するような子もいました。
ですので、やはり質が大事と言われるかもしれませんが、そのような物凄い子が犠牲にしているであろう時間は、睡眠時間です。
幼少期の睡眠時間は本当に大事で、毎年一回プレジデントあたりが書いてますよね。
健康、身長、学歴、情緒、全てに影響します。
選手コースのレッスンは21時頃まで練習をする所も多いです。帰って夕食、風呂、それだけで22時を過ぎているわけで、あと宿題は??など色々計算が合いません。
このように、一日の時間が平等に与えられる中で、親が子の進路をある程度誘導できてしまう状況下では、その責任は重大です。
このHPを見ていただいている方はテニスで強くなるように育てたい、という視点で読んでいただいていると思いますので、練習時間もある程度実際必要ということは述べさせていただきます。しかし、親としてそれで良いのか?を考えていただくと良いかもしれません、という点も付記させていただきます。
練習時間を補う質の充実
時間が足りない問題は、どのご家庭も直面します。
そこで次に考えるのは質の充実。
ここで矛先が向けられるのがスクールです。
人数が多いのではないか、コーチと合わないのではないか、、など。
この点は、個人的に考えても良いかと思います。
誤解を恐れずに言うならば、スクールも千差万別、コーチも本当に人それぞれ。
上達できない環境で一度しかない小学校生活を費やしてよいか、、これは迷って良いと思います。
自分のスクールを悪く言って移籍を勧めるコーチはいませんから、気づきにくいです。
ただ!移籍先で失敗したらもう大変。慎重に。
隣の芝生は青く見え、移籍しないと真の中身はわかりません。
強い子がいるから良いスクールとも限りません。
上述の通り、プライベートを毎日追加していればそれなりに強くなりますから。あと、スクールによっては移籍した後、そこで馴染めるかという点も大事。コーチやチームメイトとの相性が悪いと、一緒にいても苦痛ですよね。
これは大人も子供も一緒。転職と同じであります。
良いスクールを判断する基準を一つ挙げさせていただくと、コーチが子供のことを考えて情熱を注いでいるか、と考えます。技術も大事ですが、教える力が優れていればあとは気持ち一つです。
このようなコーチは見えないところでも精力的に指導に力をいれてくれるわけで、見えないところでも成長が期待されます。結果的に空いている時間で時間を割いていただいたりして、練習時間も底上げされます。
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