本日のテーマは、「小学生のうちは成長を焦らない」
中学生以上のジュニア、同じ道を歩んだプロやコーチのほとんどが同じ見解であるこのテーマを掘り下げます。
関東小学生テニスの最前線では、この時期はいわば試験前の追い込み。
選抜は中学受験と同時期にありますが、このシード獲得に向けて日々の練習に力を入れ、ボーダー以下の選手は毎週末、公認大会を転戦。欠場も増えてカオスな様相となります。
この状況下で、この時期はひっそりとラケットを置く選択をする家庭も増えてきます。
テニスを辞める理由は色々ですが、ポジティブなものとネガティブなものがありますね。
・中学受験
・他のスポーツに興味が出た
・スポーツ以外、違うことに興味が出た
・生活環境が変わった(良くも悪くも)
このような理由は悲観すべきことではないでしょう。
テニスをやらせたかった保護者様からすると残念かもしれませんが、子供の将来の人生に善し悪しに影響することではありません。
一方、
・テニスで試合に勝てなくて辛い
・コーチやスクールが厳しすぎる、合わない
・負けたら親に怒られる
・練習が嫌になった
このあたりの理由はどちらかというとネガティブですが、家庭方針一つで回避しうる所です。
選手クラスに所属していると大人も顔負けの競争社会に放り出されます。
まだ精神的に未熟な小学生ですから、この世界は間違いなくきつい。
テニスでは勝者と敗者が出るので、華々しく賞賛される勝者はこのストレスはまた別物ですが、頑張っているのに勝てない場合は、その状況を応援してくれる味方が必要です。
スクール環境が悪かったり、本人が良環境を活かさずダラダラと無為に過ごす場合は別ですが、子供が一生懸命取り組んでいる中で結果が出ない場合、結果を焦って保護者が対応すると、子供のモチベーションが大きく下がります。
この点、家庭それぞれとはいえ、保護者様の気持ちはある程度お察しします。
あまりに厳しく言い過ぎたな、子供のテニスのモチベーションが落ちてるな、そう思ったときに意識頂きたいのは、
「小学生のテニス実績よりその先」です。
私自身の経験で申しますと、テニスの試合が視界に入りますので、結果を受けて「自分ならこうする」という最短距離を子供に取らせたくなってしまうことがありました。また、試合で何度も同じ子と対戦しますので、そこでの勝敗が自分自身の経験と錯覚しそうになることもあります。
今まで勝てた子に勝てなくなると、次に勝つために合理的な大人の対策を取りたくなります。
試合で負けた時に親が子に接する形は𠮟責から助言、何も言わないまで様々ですが、子供は血が繋がっていても別個人です。ここを同一視してしまい、無理をさせると大きくこじれがちです。
子供のメンタル、親子関係、一度しかない小学校生活、このあたりを犠牲にしてまで、小学生のテニスに全てをかける必要はありません。
もし壁に当たっているご家庭であれば、下記を参考にしていただければと思います。
小学校のテニス生活は楽しければそれで勝ち。そこそこ上手であればなお良い、程度の心の余裕を「保護者様が」持つ。
小学生時代のテニス経験ゼロと選手クラス経験者では確かに大きな差がありますが、後者であればその差は容易に縮まります。
中学生になって部活動などを通じ、子供がテニスを好きになり、仲間とともに毎日テニスをして切磋琢磨するようになったら、一年単位で一気に追いつき、追い抜くこともあります。
全ては子供の気持ちの持ち方次第で、親に言われてやるテニスは、自分の意思で頑張るテニスに長期的に適いません。
小学生のうちは無理に勝ち負けを追わず、関東、全日本へと続く公認大会の螺旋から距離を置くのも一手です。
名門スクールですと結果を出す選手が見えてしまうので、そのような過ごし方を許容してくれるチーム、場合によっては通常のジュニアテニスクラスに身を置くのも良いでしょう。
周囲の評価や目線なども捨て去りましょう。
敢えて狭い世界で、勝つことを経験させて、自己肯定感を大事にしたい趣旨です。
この点、新設された初心者向けの4D大会を利用するのも良いでしょう。
切り離された世界で試合経験が積めます。
ジュニアテニス関東グレード大会に新設された初心者向け「4D」とは? | テニジュ
既に関東ポイントがあり1R~2Rの壁で悩む方は、スポ人U12が丁度良いです。
<スポ人テニス>スクスクのっぽくんカップに参加してみよう | テニジュ
テニスの回数も気を楽に。
週に2,3回楽しくテニスをしっかり練習して、結果よりもそのプロセスを褒め、結果が出やすい大会は親が探し、準備する。テニスの時間が緩和すれば、他の色々な可能性(心身の余裕)も広がります。
あとは中学以降、子供自身で選択させてやれば良いのではないでしょうか。
中学以降、追い抜いていく感覚も楽しいですよ!
小学生初心者向け:成長別・ボール別おすすめテニス大会まとめ(レッド・オレンジ・グリーン) | テニジュ
最後に、、小学生のテニス生活を楽しく過ごすのは、共に過ごす友達の存在も大きいです。


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