小学5年生女子だけが参加できる「富士薬品セイムス ガールズカップ」、その決勝大会が今年も9月、埼玉県さいたま市の大宮けんぽグラウンドで開催されます。本大会は、単なるジュニア大会にとどまらず、複数年にわたる海外遠征の切符もかかっており、毎年注目されています。
以下では、大会概要やアクセス、参加権利、賞品、そして本大会ならではの特徴について詳しくご紹介します。
2025年大会概要
項目 | 内容 |
---|---|
大会名称 | 富士薬品セイムス ガールズカップ2025 決勝大会 |
主催 | 株式会社富士薬品 |
企画運営 | 株式会社東急エージェンシー |
主管 | 一般社団法人トップアスリートグループ |
開催日程 | 2025年9月17日(水)~9月21日(日) ※予備日9月22日(月) |
会場 | 大宮けんぽグラウンド(15・16区画コート) 埼玉県さいたま市西区二ツ宮113-1 |
サーフェス | ハードコート |
種目 | 女子シングルス(2014年生まれの部・64名) |
使用球 | HEAD TOUR(予定) |
参加資格 | 2014年生まれで地域予選を勝ち抜いた者、または主催者推薦者 |
競技方法 | 1次予選リーグ → 2次予選リーグ → 決勝トーナメント※ |
エントリー費 | 9,000円(税込) ※振込手数料別途 |
ドロー発表 | 2025年9月13日(土) |
表彰 | 優勝・準優勝・第3位・第4位 |
特典 | ワールドチャレンジプログラム TEAM2014 候補メンバー選出(6~8名) |
※決勝大会は下記の通り行われます。
1次予選リーグ:4名16リーグ(上位2名が2次予選リーグ進出)
2次予選リーグ:4名8リーグ(上位2名が決勝トーナメント進出)
※セットオールファイナル10ポイントマッチタイブレーク (ノーアドバンテージ)
決勝トーナメント:2次予選リーグを勝ち上がった16名によるトーナメント戦
※3セットタイブレークマッチ(デュースあり) ※3位決定戦あり
※サービスは「ノーレットルール」で行う
アクセス(大宮けんぽグラウンド)
住所:埼玉県さいたま市西区二ツ宮113-1
大会会場となる「大宮けんぽグラウンド」は、埼玉県さいたま市西区に位置しています。JR大宮駅からバスやタクシーで迎えますが、やはり車が便利です。平日開催時は、通勤時間帯に渋滞を伴い、土地勘がないと時間がかかりますので事前によく行程を調べておきましょう。
大宮けんぽグラウンドへは、さいたまふじみ野所沢線上の道路から、下記ルートで入っていくと楽です。
行きが赤、帰りが青です。

上記赤の矢印に沿って進み、下図の看板を目印に下ってください。
下ってまっすぐ行くと道が開けていますので、徐行で落ち着いて進みましょう。
帰りは青色の矢印に沿って帰ると楽です。教習所の周りを通って左回りしていくイメージです。

駐車場は迷うことはないですが、区画ごとに割り当てられています。大会によっては満車になることもありますが、駐車場が複数あることもあり、都度テニスコート周辺を確認しましょう。車は頻繁に通らないため、慌てなくても大丈夫です。
周辺には宿泊施設も点在していますが、大会期間中は他のスポーツイベントと重なる可能性もあるため、早めの予約が推奨されています。

参加権利
出場権利があるのは一年限りで、この時期に大きな特徴があります。
暦年ベースで限定され、5年生(4~12月生まれ)を中心に、6年生の早生まれ(1~3月生まれ)が該当します。
夏に実施される地域予選を勝ち抜いた選手、または主催者推薦を受けた選手のみが全国大会に参加可能であり、単なるオープン大会とは異なる特別な舞台です。
また、参加条件としてホームコーチの同意が必要であり、さらに「ワールドチャレンジプログラム」に選出された場合には、2025年11月から2028年10月までの海外遠征に参加意思が求められます。つまり、選手自身の実力だけでなく、将来的に世界で戦う覚悟が問われる大会といえるでしょう。
ガールズカップは翌年度の全日本ジュニアと同じカテゴリとなるため、ここで活躍した選手は全日本ジュニアでも優勝候補となることが多く、実際ある程度顔ぶれも似ています。
地域予選
夏を中心に、全国10会場で開催されます。
一部参加資格が限定されますが、ほとんどは他地区からもエントリーできます。
決勝大会進出者数は会場によって異なりますが、運の要素もあるため、色々な戦略、思惑で遠方からも参加者があります。
2024年の地域予選
■北海道大会
■東北大会
■関東大会
■北信越大会
■東海大会
■関西大会
■中国大会
■四国大会
■九州大会
■埼玉大会
海外遠征サポート
本大会では、優勝、準優勝、3位・4位まで表彰が行われます。
この大会では、成績優秀者6~8名が「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム TEAM2014」の候補メンバーに選出される点にあります。
ここからは非公開の内容となりますが、この候補に選ばれるには、必ずしも本戦出場が必須ではありません。
総合的な判断により、予選までの選手も候補になりえます。直近では公式発表よりも多い、10名前後が合宿の参加権利を得ているようです。候補に選ばれた選手は、セイムスカップの直後に5日かけて福岡県で行われる「最終選考会兼海外遠征メンバー選抜合宿」に参加し、その後、正規メンバーが決定されます。
選ばれたメンバー数人は海外遠征を中心に手厚いサポートを受け、世界の舞台を経験することができます。この選考基準も非開示ですが、ガールズカップの結果と必ずしも連動するわけではなく(優勝者以外)、あくまで合宿での試合結果、将来性、態度など総合的に判断されます。
円安とインフレで海外遠征は非常に多額の費用が必要となる中、旅費、宿泊代金も含めた遠征費をフォロー頂けるのは、非常に助かります。
現状、女子だけを対象に開催されており、男子の大会はありません。
このような声も毎年届いているようで、女子の結果次第で将来的に検討するとも公に開示されています。
関東上位参加者は少なかった本大会
非常に魅力的な大会ですが、ほぼリアルタイムの関東ジュニアランキング(9/12発表)では、関東U11女子の上位参加率は低く、上位10名中3名でした。1日完結の地区予選は出たものの、本戦参加を辞退した実力者も。
関東ベスト10の選手は、関東はもちろん、小5の時点で小6を含めて全日本に進出しうる実力がある選手です。
ランキング上位者の関東ジュニアや全日本ジュニア、全小の参加率はほぼ全員となることを考えると、同じ関東での開催にしては今年特に低い。本戦最終結果もこの順位にある程度比例していました。
これには様々な理由が考えられます。
一部上位不参加者の声として、まずは他の契約との関係。全国レベルの選手になると、何かしらの色がついてきます。
選考基準は非公開ですので、上位層はその先を見据えて、某YやAなど他契約や選抜との繋がりを重視することもあります。
また、本大会に興味がないというよりは、小学5年生という進路が定まらないタイミングで、本戦と選考合宿で学校をそれぞれ1週間程度休まなければならず、敬遠するご家庭も多いようです。
つまり、小学生の早い段階で進路を明確に決めているか、学校に行かなくても問題ない方針の家庭や学校の場合は上位進出のチャンスとも言え、関東ランキングU11で、20位前後でも十分にチャンスがあります。
当日のリアルタイム試合経過速報:経過所見
ガールズカップは現地の試合経過をリアルタイムで確認できます。
かなり速報性が高いです。後輩、先輩、お友達の応援はこちらから
関東中心に知っている子が多いですが、全日本ジュニアと同じく、1次予選から波乱あり。
暴風吹き荒れ、天候にも左右されました。これまで名を聞かなかった子で、地方で腕を上げた子もいる印象です。
1次予選は4名ずつの総当たりリーグ戦で上位2名が次へ進めますが、3試合のうち2試合を初日で行い、残り1試合は一日挟んで翌日行われます。このあたりは自分との心理戦。勝てば通過できる1勝1敗の子も、まければヤバイ、と考え方ひとつでネガティブにズシリと来ます。
この残り試合が終わり、1次予選通過者が確定したのち、2次予選通過者は同日、直後に2次予選を始めます。
決勝本戦(16名)は二日に渡って行われ、一日目は1Rのみ、二日目はベスト8以降一気に決勝まで行います。
結果として上位入賞者のランキングは関東ジュニアランキングに近似していました。
やはり普段の力を、緊張する場でいかに出せるか、これに尽きます。
緊張して委縮してしまう子の場合、重荷を背負わせない工夫も必要ですね。
あるべき準備(低学年の方・ビギナーの方へ)
ガールズカップは小学5年生と6年生の早生まれが対象ですので、多くの子供たちは選抜や小学生大会よりも先に経験することになります。この大会で選抜されることは将来のテニス進路に大きな影響を及ぼしますので、ここを一つの目標にする方も多いでしょう。
先行して5年生の夏に予選が始まりますので、5年生になる時点で一定のポジション(ランキングではなく実力)も必要とされます。
これは諸々逆算すると早めの準備が必要です。
小学生は一年もあれば準備次第で別人になりますが、選手クラスに入って半年程度で、このレベルの大会で上位進出するのは至難の業です。
このため、遅くとも小学4年生に入る頃には選手クラスとしての環境で、質と量を確保して日々鍛錬する必要があるでしょう(早生まれの場合は一年遅れますので、このタイミングにも猶予があります)。
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