テニスの未来を担う10歳以下で一番強い子を決める。
2025年、WilsonとMAT GROUPにより、2025年11月、群馬県高崎で10歳以下シングルスの全国大会「NEXT HERO TOUR」(ネクストヒーローツアー)が開催されます。こちら今年が初めての開催です。U10グリーンボールで最大規模となる全国大会の概要をご紹介します。
「NEXT HERO TOUR」とは
「NEXT HERO TOUR」は、年齢や性別、経験に関わらず、子どもたちそれぞれが持っている才能を見つけることを意図して開催される大会です。
U10の大きな大会は石黒杯・TOMASCUPや、近年ではルネサンスビギナーズカップや関東ジュニアU10が挙げられますが、この大会の特異性は、男女混合であること。また、予選の数も全国各地で実施され、全国大会のエントリー数も最終的に165名と非常に多く、賞品も非常に豪華。
この大会は主催者、参加者共に非常にwinwinと思っています。理由は下記の通り。
・予選が全国45大会と非常に多く、開催規模が大きい。
・U10男女で最強を決めるというコンセプトがわかりやすい。
・名の知れるデビュー前に、強者とコンタクトできる。
・ウィルソンのサポートというキャッチーな入賞特典がある。
・イエローに移行しているU10上位者層も参加可能
・グリーンボールの全国大会が続く時期(夏~冬)に開催
中途半端な規模であれば、公認大会に出始めているU10の有力選手は見向きもしません。
そもそもイエローで練習しているのに、グリーンに戻ることを嫌います。
加えて、関東ジュニアではU10世代が関東ジュニアU12に参加した場合、U10のグリーンボール大会へ参加することはできません。その時点でU10関東ジュニアの権威性は落ちることとなりますが、このような制限もありません。
また、入賞賞品が豪華だったり、栄誉、実利があれば、興味を惹かれるでしょう。
U12の有力選手はラケットのメーカーも決まっていますが、この世代は丁度26インチから27インチになろうかという狭間の世代で、まだラケットが完全に固まっていない子も多いです。このタイミングでウィルソン派に傾倒する実力者も増えるでしょう。
男女混合というのも、他にはない仕様です。確かに男子有利という点はあるでしょうが、そもそもU10界隈では上位者はグリーンボールの大会に出ない選手もいます。
このように、そもそもグリーンボール大会の全国大会は常に一定の上位者を欠いて行われる試合である中、男女混合にすることで大会参加者のレベルの底上げが期待されれば、大会の格が維持されます。
小学校高学年では女の子の方が成長が先行するので、どちらが有利か、も必ずしも言い切れないでしょう。
本当に最強を決める大会としては、U10では石黒杯ではないかと思っていますが、この大会もかなりのレベルになるでしょう。
一応懸念点も挙げておきましょう。
参加費用の16,100円(15,000円+エントリー費1,100円)。これだけ見ると相対的にやはり高額。
同規模の大会では、現状10,000円程度が相場かなと思います。
地方で権利を獲得して遠方からいざ参加しようとなった時、エントリー費用に加えて旅費、宿泊費を含めると結構な金額になります。あとは移動時間もかかります。有明などであれば都心部観光やお台場ディズニーなどなどセットで楽しめますが、いざ行くとなると、二の足を踏む方もいそうです。
あとは日程。これはU10の上位者が参加するATFと被らない点では長所とも言えますが、関東公認大会とは結構かぶっています。11月8日、9日は公認大会が実に4つもあり、日程被りの日は狙い目とされています。ポイントを稼ぎやすい日に、グリーンの大会に出るか、、という考え方もありますね。
(2025最新)関東ジュニアテニス 公認大会日程 締切日順逆引き版 2025年10月~2026年3月 | テニジュ
この記事の関係もあり、締切の人数を追っていましたが、締切日前日で、まだ参加者は120名余り/160名定員。
やはり実際のエントリーは減るのかなと思いましたが、締切日の夜、一気に150名程度に増えました。そして締切日翌日、162名。最終165名。
最終日に異常に増加しているので、皆が最終日まで温めたというよりは、補欠の連絡をしてエントリーした可能性もあると予想しています。
全国大会 概要
- 主催:MAT高崎テニスクラブ、高崎市テニス協会
- 特別協賛:アメアスポーツジャパン株式会社
- 協賛:テニスベア(プラチナ)、TempMachi(ゴールド)、岩塚製菓など
子どもたちを応援する企業のバックアップがしっかりしています。 - 種目:10歳以下男女混合のシングルス(グリーンボール)
- 加えて:18歳以下の車いすシングルス・ダブルスも実施
- 日程:
- 11月8日(土):U10予選リーグ
- 11月9日(日):U10決勝トーナメント&車いす部門
- 予備日:11月10日(月)
- 会場:清水善造メモリアルテニスコート(屋外ハード、21面)
- 参加資格:各都道府県の予選を勝ち抜いた選手(2015年1月1日以降生まれ)
車いすの部も18歳以下で出場可能 - 使用球:STARTER PLAY GREEN‑4(グリーンボール)
- 定員:U10男女シングルス/最大160名 160ドロー 車いす/最大16名
- 参加費:15,000円 + ネットエントリー料 1,100円(参加賞付き)
- 必須条件:Wilsonのラケット・バッグ・シューズ・ウェア(帽子、リストバンド、ソックス含む)のいずれかを必ず使用すること
- 締切:10月5日(日)
- エントリー方法:テニスベア経由で全国の予選に参加。詳細・ドローもテニスベアで随時更新される仕組みです
表彰・副賞
全国大会で上位3名(優勝・準優勝・3位)に「Wilson PLAYER Program」のサポート権利が与えられます。
2026年、Wilsonストアで道具を貸与/半額購入できる特典です。グリーンボール世代では、まだこのような機会は限られますので、ジュニア選手にとってはまさに夢のある賞で、励みになるでしょう。
これをきっかけとして、U10の有力選手がウィルソンに愛着をもって使ってくれればお互いwinwinです。
全国大会への参加権を得るには
日本全国で開かれる予選で勝ち抜き、結果を出す必要があります。
ざっと見てみると、この予選の難易度には非常に差異が見られます。
上位2人のこともあれば、東北など上位8名です。
東北は南北に分けて参加者を最大64名、48名と設定していますが、参加者は大きく定員割れしています。
結果、倍率が非常に低くなっています。
このため、全国大会への切符を確実に入手するには、近所だけに拘らず遠方、あとは上位4名程度が選ばれる大会を探すのも良さそうです。
本日9月4日時点で、下記9/15開催の山梨の大会は定員16名に対し、参加者13名。
締切は9月12日で、まだエントリーできるようです。

こちらは上位4名が全国大会に参加できるので狙い目かもしれません。
Wilson NEXT HERO TOUR 山梨県予選2025 | 山梨県 エストテニスクラブ甲府のテニスオフ会・練習会 | テニスベア
このように、他の千葉や神奈川の大会は既に満席でキャンセル待ちも多く、地域により差が大きいことがわかります。
U10だけで定員160名の全国大会、、楽しみな日本一
人数が多くて有名なスポ人GROWING全国大会は、今年は非常に参加者が増え、280名近くになったと聞いています。
本大会は、U10だけで160名が清水善三メモリアルに集結しますから、U10だけが一同に集まる全国大会では、過去一番の規模でしょう。
参加費用がやや高い点が気になりますが、この分だけ大会運営には力を入れる?ことも期待されます。
160名、21コートで回しますから初日は待ち時間も相当出るでしょう。
雨に弱い善造コートですので、まず気になるのが天気。さてさて、どうなりますか。
都心から関越自動車道で高速で行く方は、朝は渋滞します。
十分に時間に余裕をもって向かってください。
計100回近く行った経験を述べさせていただくと、朝7時までは常時空いています。
8時以降は日によりますが、行楽シーズンですので早めが良いでしょう。
結果、早めに出発するとかなり早めに着きがちですが、それぐらいの余裕を持って向かっていただければと思います。
清水善造メモリアルテニスコート初めてガイド(アクセス・駐車場・施設・周辺) | テニジュ
NEXT HERO TOUR | TAKASAKI全国大会 – ウイルソン公式
後日談:参加者の声と課題
実際に参加した複数人からレビューが届きました。
今回、雨天の対応を巡り課題を残した点も事実で、結構なクレームがあったようです。
もともと初日の結果に沿った順位別リーグを予定していたものの、二日目の雨天時に、翌日予備日に延期ではなく要綱にない中止という判断をしてしまい、またその判断が遅かったことから、相当の反発を招きました。
以前も書いてますが善造開催の大会ではこの手のクレームは定期的に聞くので、多くのハードコートがあり、遠方から来場する参加者が多い特性上、雨天時は早期適切な判断が求められ、難しい所もあるでしょう。
スクショを見る限り実際のコメントはなかなか辛辣でしたが、参加したご家庭のことを思うと、複雑な気持ちになります。全国大会に参加できることになり、家族で喜び、一家でチケットやホテルを手配し、その目的のために群馬に来て、初日で一位トーナメントを逃してそれでも頑張ろうとお子さんを鼓舞している矢先に、雨で中止と、、、同日のホテルは抑えているわけで。
テニスの公式戦ではドライな対応は日常茶飯事ですが、U10世代はまだビギナー要素が強く、参加者が来てよかった、テニスを続けたいと思われるようなホスピタリティも求められる世代。
運営側も一定の補償をされ、通常はありえない対応で英断をされたかと思います。
ただ、その対応もかけた費用や時間に照らすと気持ちの問題に過ぎず、お互いwinwinには程遠い所で、折角の大会がこのような結果となり寂しい気持ちが残るばかりです。


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