本日は、グリーンボール期で重視したいテーマとして、ストロークの充実を挙げたいと思います。
レッドやオレンジからグリーンになると、遊びながら楽しく覚える段階から枝分かれし、選手クラスを志す子は勝てるテニスが気になる時期です。
この点、グリーンボール期にどのように指導されるかはスクール・コーチによって、詳細や手段は異なっても、幹の部分は同じです。伸びる子に共通しているのは、特別な技や強打ではなく、まずは「正しいフォームで、力強く振り抜けること」。そして練習の結果、「ミスが少なくなること」
前者はバコラー、後者はシコラーとも呼ばれますね。
昔で言うとラオウとトキ、最近で言うと悲鳴嶼行冥と竈門炭治郎(笑、違うか)。
例えはともかく、子供のテニスのタイプもはっきりしてくる時期です。
バコラーは一発で沈めるタイプ、シコラーはどんな球でも返し、隙あらば狙い、相手のミスを誘うタイプ。
前者は、自分の間合いに引き込み確実性を上げる。後者はライジング気味の押し込まれた球でも確実に返す。
これらの精度を上げるには練習あるのみで、ストロークが極まると、グリーンボール界隈ですぐ上位に立てます。
今回は、そんなグリーンボール期におけるストローク上達の考え方と、練習のポイントをまとめてみました。
グリーンボール期のストロークの重要性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | おおむね8〜10歳(小学3〜5年生) |
| ボール | イエローより柔らかく、弾みが低い |
| 目的 | 正しいフォームで安定したストロークを身につける |
| 意識すべき点 | 「打ち方」より「打球の再現性」 |
「ストローク」とは、ベースラインの後ろからボールを打ち合う動きのこと。 フォアハンドやバックハンドに代表される、テニスのいちばん基本的なショットです。
グリーンボールは、レッド・オレンジで身につけた「楽しさ」をベースに、技術と安定感を形にしていく段階です。
ここで覚えたフォームの再現性は、次のイエローでも引き継がれ、今後の伸びしろを大きく左右します。
ストロークが大事な理由
- 試合の約7割がストロークで構成されている
- フォームの再現性=安定感につながる
- ストローク感覚が身につくと、ボレーやサーブも伸びやすい
つまりストロークは、試合のための技術というよりも、 テニスそのものを成立させる基礎体力ともいえます。
技術よりまず反復
この時期は、技よりもまず、反復の質が大切になります。
バコラー、シコラー、どちらであってもしっかり磨けば、この時期は技術を凌駕します。
これは某コーチの受け売りなのですが、子供が小学校を終えようとしている今、その通りだなと実感します。
イエローに移り、公認大会に出るようになってからで十分間に合います。
まだパワーが足りないグリーン初期では、フォームを整えることが上達の第一歩。 スピンやスライスなどを無理に増やすよりも、 まずは同じスイングで同じボールが打てるようになることを意識します。
イメージでは、テニス版の公文式。
公文も 同じ動きを正しく繰り返すことで、基礎計算力が身に付き、今後の学習のアドバンテージに繋がりますが、これはテニスも同じで、体が自然に覚えていきます。派手なショットよりも「地味に打ち続ける」ことこそが、 後々の安定感とスピードにつながります。
海外データに見る「打つ回数」と上達スピードの関係
アメリカの全米テニス協会(USTA)のジュニア育成レポートでは、 8〜10歳のグリーンボール期の選手は年間で40〜60万球を打つとされています。 単純計算すると、1日およそ1,000〜1,500球。
日本のスクールでは週2〜3回・1回90分の練習が一般的ですが、 海外のアカデミーでは「とにかく打つ」ことを重視しています。
教える時間よりも、打つ時間を増やし、リズムと再現性を磨くことが大事です。
「正しいフォームでたくさん打つ」を実現する工夫
① 打球感覚を掴む
フォームを動画で見たり、教えられたりすることも良いですが、「今の当たりは軽かった」「芯を食った」など、 自分の感覚で評価し、精度を高めることを大切にします。 感覚の積み重ねが、確実性を上げ、結果的にフォームを安定させます。
② 一定テンポでの練習
壁打ちや球出し練習では、テンポを一定に保つこと。 リズムが安定するとフォームも再現しやすくなります。
この時期以降、フォームがおかしいと修正に時間がかかるようになりますので、フォームも一緒に見直しを。
③ 打球量を最優先
グリーンボール期は、技術講義より打つ環境のほうが大事。 ラリー、壁打ち、マシン練習――どんな形でもいいので、 「正しいフォームでとにかく打つ」時間を確保しましょう。イエローになり回数を増やすと怪我が急増しますので、グリーンの時期は柔軟に考えやすい時期です。
理想は「強く確実、ミスらない」
この3つが、グリーンボール期のストロークの完成形です。
| 要素 | 意味 | 習得のカギ |
|---|---|---|
| 強く | スイングスピードが安定している | 正しい体の使い方 |
| 確実に | 毎回同じ弾道で返せる | 打点とスイング軌道の再現 |
| ミスらない | 無理せずリズムを保てる | 冷静な判断と集中力 |
特別なショットを覚えるよりも、 この「力強く打てて、ミスしない力」がグリーンボール期の成長を支えます。
親ができるサポート
親としてサポートできるのは、技術を教えることではなく、 練習を続けられる環境づくりでしょう。
- 壁打ちができる場所を見つける
- レッスンがない日は軽く素振り
- 練習マッチの機会を増やす
- 「今日は何球打てたね!」と一緒に数える
「打つこと」そのものを楽しくできる工夫をしてあげると、 自然とフォームが定着していきます。
焦らず、比べず、 これがグリーンボール期を成功させるキーワードです。


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